自分の世界の枠を飛び出す「TDU 4D-Lab(ラボ)」震災被災地やカンボジアを訪れて
「人間らしく生きる」。東京電機大学中学校(TDU)の校訓には、今も未来も変わることのない生き方やあり方の土台となるものが表れています。中高という自立に向けての重要な時期だからこそ、先生から「教わる」だけでなく、「自ら学ぶ」ことで、生きていくために必要な力をつけてほしいという、学校からの想いです。
TDUではこの力を、“視野の広さ”“冒険心”“向上心”“共感”“専門性”の5つに定義しました。これらの力をつけていくプログラムの中でも注目すべきものが「TDU 4D - Lab」です。中2から高2までが学年の枠を超えて、ひとつのテーマに沿ったグループ研究を行う、大学のゼミ学習のようなプログラムです。
Labごとに決められた大まかなテーマからスタートすると、自ら課題を見つけ、調査し、考え、成果を発表するという4つのステップを踏みながら行う課題探求学習です。
「Labは40以上の多様な分野に分かれ、生徒は基本的には2年間継続して1つのLabに所属します。最初のテーマは先生が設定していても、そこから課題を見つけ、議論していくのは生徒たちなので、最初には思ってもいなかった結論にたどり着くこともあります。生徒の成長が、大人の予想をいい意味で裏切ってくれるんです」と進路指導部長の今福浩太郎先生。
テーマには、「お菓子で考える社会学」「ニセ科学にだまされるな」「TDU広報室」など様々。研究的なものからレクリエーション企画、社会科見学や歴史探索など幅広くあります。
「社会科見学に行こう」というLabでは、東日本大震災の被災地である東北を訪問し、語り部活動をしている学生たち先生から当時の被災体験を聞きます。同年代の壮絶な体験談は、生徒たちの心に強く刻み込まれています。
また生徒に多くの体験の機会を持たせることを大事にしているTDUでは、昨年からカンボジアボランティアツアーを1週間行っています。今年は高1、高2の希望者11人が参加し、現地の村の小学校で日本語や英語を教えたり、村や歴史的名所を訪問したりしました。
「東南アジア最貧国の実情を見て、生徒たちは固定概念にとらわれていたことや抱える問題を解決するために自分ができることがあることを感じたようです。素晴らしい適応力と自主性を見せてくれます」と今福先生が語ったこの研修の様子を、ぜひ右下の参加生徒の声から感じてください。
Q.応募した動機は?
K.Yくん 自分からカンボジアに行く機会はなかなかないし、知らない場所や知らないことを知るということが好きなんです。去年はシアトルのホームステイにも参加しました。
S.Tさん もともとボランティアに関心があって、このプログラムがあるということも入学したきっかけでした。親もアフリカで建設の仕事をしたことがあって、その話も聞いていて興味を持ちました。
Q.現地の活動で印象に残っていることは?
S.Tさん 現地の小学生と高校生と交流がありましたが、日本の学生よりも「学ぶことに対して積極的」だなと感じました。高校生の子は兄弟姉妹が8人もいて、お金がかかるから出稼ぎに行っている兄弟もいるし、自分も残っている年下の兄弟姉妹の世話をしながら勉強していると言っていました。教員になるために勉強しているそうです。
K.Yくん 小学校がある農村部と、都市部では風景がガラッと変わります。発展の仕方にまだまだ差があるのだということを実感しました。でも、農村部の子どもたちが遊んだり興味を持ったりすることは日本の子どもたちと共通していて、どんな環境でも「子どもの間は同じなのだな」と知ることができました。
Q.今後に活かしたいことは?
K.Yくん 長年、地雷を1つ1つ取り除いてきた現地の方がいます。その方はいま、カンボジアで英雄のようにみなさんに知られています。本当に小さなことでも1つ1つ、あるいは1人1人の積み重ねで「世界は変えられる」のだと思います。カンボジアを訪問したことが、僕の将来にどうつながっていくのか楽しみです。
S.Tさん 外国でボランティア活動に参加したいという気持ちが強くなりました。夏休み中に大学のオープンキャンパスに行く課題が出されますが、国際関係のことを扱う学部をいくつか見てきました。志望する学部に行けるよう、しっかり勉強していこうと思っています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京電機大学中学校
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