生徒たちの読む・書く・話す力を養う独自プログラム
どんな生徒でも読解力と発表力が自然と身につく毎日の『R-プログラム』
生徒たちが社会に出たときに必要とされる思考力・表現力を育成する取り組みとして、立正大付属立正中学校が8年前から実践している「R-プログラム」。新聞記事などのコラムを要約し意見文を書いた上で発表する「コラムリーディング&スピーチ」に、毎朝のホームルームで繰り返し取り組みます。日々、読解力や表現力が自然と身につくよう工夫されているオリジナルの教育プログラムです。
今回は、「R-プログラム」導入1期生で上智大学経済学部2年の鈴木涼馬さんに、プログラムから得たものについてお話しいただきました。
理系脳でも文章読解のコツをつかみ、表現が得意に
「もともと自分は理系脳で、男子にありがちな算数が得意で国語が苦手な生徒でした。入学当初は、新聞のコラム記事の文章を読むこと自体も難しく感じていましたし、それを要約して自分の意見を書く際も、200字のマスを埋められずにたったの3行で終わってしまっていました。それでも、コラムリーディングは毎朝行われますし、2か月に1度は発表の番が回ってきます。そうやってやり続けていく中で、文章の読み方や書き方のコツを自然とつかんでいった気がします。
中2・中3になってからは、発表の際にどのようにしたらうまく伝わるのかを考えるようになりました。友人の発表を注意深く聞くことで、その人の考えを読みとることができるようになったと感じたからです。言葉の選び方など、友人の良い点を盗むようにしていました」(鈴木さん)
「R-プログラム」で得意を発揮する友人
「R-プログラム」には、読んだ本のページ数を競う「リーディングマラソン」の取り組みもあります。校内の図書館に保管されている「読書ノート」に読んだ本とページ数を記録していく仕組みとなっており、進みが芳しくない生徒には司書の先生が選書のアドバイスをしてくれるようになっているそうです。
「僕自身は、リーディングマラソンはあまりよい成績を残せなかったのですが、同学年に1学期で3万ページを読んだ猛者がいました。往復4時間の通学時間をすべて読書にあてていたらしいのですが、彼にはかなわないと、学年中がみな、一目置いていました。普段の授業ではわからない友人の一面や得意分野も『R-プログラム』を通じて知ることができたので、お互いを認め合って刺激しあうことにつながったと思います」(鈴木さん)
日々の反復練習で、全生徒の読解力と文章・口頭表現力の基礎を築き、読むことが得意な生徒はさらに伸ばす。立正の「R-プログラム」は、さまざまな学びの土台となる力を着実に育ててくれると感じました。
朝のSHRやLHRの時間を活用して取り組み、要約力や文章力、発信力などを養います。
新聞の社説やコラムの切り抜きを5分で読み、5分で自分の意見を200字以内にまとめる
朝のSHRやLHRで、書いた文章をクラスの前で発表(1・3分間)。聞き手はフィードバック
LHRの時間にクラス内で社会的・時事的なテーマについてディスカッションやディベートを実施