“できない”状況を当たり前と思うことではなく“できることは何か”を考えるミニ文化祭を開催
限られた状況でも全力で楽しむ
みなぎる生徒の創意工夫力
コロナウイルスの影響で、ここ市川中学校でも令和2年度の行事の大半が中止になりました。毎年行っていた文化祭も例外なく中止に。そのような中で「何かできることはないか」と中学3年生が発案したのが「ミニ文化祭」です。初の試みを主導したのは学年主任の吉田康彦先生と、美術の北圃鉄朗先生。
「主要教科はもちろん大切ですが、文化を創造することは生きる上でとても大切なこと。創り上げる過程でお互いを尊重することを学ぶこともできます。このような状況下でも、みんなが全力で取り組める何かが必要と感じていました。そこで学年の中だけでも何かできないかと生徒たちに提案をしたら、生徒たちが乗ってきてくれました」(吉田先生)
ただし授業が通常通り行われている中で行うため、制限はやはりあります。可能な範囲で活動をすることを前提にアイデアを出し合っているのが、6月に学年のフロアの飾り付けなどを目的に結成された「デザイン部隊」。デザイン部隊が主導となって、ミニ文化祭で何をどう飾るか、どんな催しをするのか7月から議論を交わしていきました。
デザイン部隊に入った時に「デザインは表面的なこと」と考えていた入船くんは、思っていたよりも複雑なことだと気付いたそう。
「見た目だけと捉えられがちなデザインには“設計”“企画”といった意味もあります。楽しいことを企画して創り上げる過程も含めてデザインなので、思ったよりもやることがたくさんあります」と北圃先生。
テーマは旅気分を感じられるよう「世界旅行」に決定
シンガポールへの修学旅行が中止になった影響もあり、テーマは「世界旅行」に。クラス全員で大きい紙に世界旅行をテーマにした1枚の絵を描いて教室の壁に貼ったり、大きな地球儀を作って廊下に飾ったりして旅気分を味わえるようにするほか、生徒が取り組んだ成果の掲示、先生に関するクイズの企画などもりだくさん。プレゼン学芸部門では生徒が自由研究を報告したり、演奏、ダンス、演劇といった約15団体が参加することが決まりました。
中3から始まったこのミニ文化祭は、中1と中2にも広がりをみせ、学年をまたいで活動をすることになりました。フロアを飾る期間を合わせることで、結果的に中学棟すべてが文化祭の雰囲気に。
「行事はリーダーシップやフォロワーシップを育てるという重要な役割をもっています。ミニ文化祭も生徒それぞれの立場での成長につながると期待しています」(吉田先生)
どんな生徒でも自由に活動できる器を用意している市川中学校。環境がどうあれ、生徒たちを成長させる準備が整っています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
市川中学校
[学校HP]http://www.ichigaku.ac.jp/
〒272–0816 千葉県市川市本北方2–38–1 Tel.047–339–2681
最寄駅/
京成本線「鬼越駅」徒歩20分。JR総武線・都営新宿線「本八幡駅」、JR武蔵野線「市川大野駅」、JRなど「西船橋駅」〔直通バス(登下校時のみ)〕からバス「市川学園」「市川学園正門前」。