多様な課題に取り組む芸術教育と 英語ミュージカルを通して、思考力と表現力を磨く
美術では、試行錯誤することで問題に取り組む力を育む
黙々と課題に取り組む中学3年の生徒たち。「創作すること、表現することは楽しい、と知ることで、世界を広げてもらえたら」（宮本先生）
芸術教育では、中学３年間で音楽と美術の基礎を学び、高校１年生では音楽、美術、工芸、書道から自分の興味に合わせて１つを選択します。今回は美術科担当の宮本穂曇先生に話をうかがいました。
「美術とひとことで言っても、生徒によって得意なジャンルは異なります。技法を習得し、表現の幅を広げていくことが得意な人もいれば、感性や想像力を自由に働かせ、イメージをカタチにする力に長けている人もいます。どんなものに興味を持つか生徒一人ひとり異なるので、多様な課題を用意しています」（宮本先生）
中学３年生のある日の授業では、図書館と連携して、絵本のワンシーンを「飛び出す絵本」として表現するという課題に取り組んでいました。水でぼかして使う水彩色鉛筆を使う場面では、思うような表現にならず悩む生徒の様子も見られました。
「創作の過程では、思い通りにいかないこともあると思います。そんなときに私がすぐにアドバイスをしてしまうと、生徒は自分の頭で考えることをやめてしまいます。目の前にある問題をどう工夫して乗り越えられるか、自分で試行錯誤して解決できるようになってほしいと思います」（宮本先生）
これからは、大学入試でも「思考力・判断力・表現力」が問われる出題形式に変わります。美術で思考力や表現力を磨くことは、かけがえのない財産になりそうです。
英語で表現する楽しさを実感できる
「Everyone,Let’s sing together!」
元気いっぱいの先生のかけ声によって始まるこの授業は、英語を使ったミュージカルを発表することで英語表現の力を伸ばす「イングリッシュエクスプレス」。
これまでは中学２年次の１年間のみでしたが、２０２１年度から中学１年生もスタート。早期から英語への苦手意識を払しょくする狙いです。また生徒たちは１年次から表現する楽しさを実感できるため、その後実践的なコミュニケーションの力を磨いていくことができます。
実際に、進学時には多くの生徒が培った語学力を生かして国公立や難関大学への合格を果たしており、確かな成果を上げていることがわかります。
この英語劇で特徴的なのが、全員がステージに立ち、自分が演じたい役を演じられること。自分で役を決めることによって責任感が生まれ、楽しく取り組むことができるのです。また、ダンスや歌が得意な生徒もそうでない生徒も同じ舞台に立ち、「観客に楽しんでもらう」という共通目標に向け作品をつくり上げることで、語学力だけでなく課題に取り組む力、他者のために働きかける力、協調性を育んでいきます。
指導にあたるのは、英語芸術学校マーブルズ代表の小口真澄先生。30年以上の指導経験を持つベテランの演出家で、本校でイングリッシュエクスプレスがスタートした10年前から指導しています。「２年連続で取り組むことで、前の年の反省を練習に生かしてもらえたらと思います。『もっと積極的に表現したかった』『もっとクラスのために協力すればよかった』という生徒が、２年目に大きく成長する姿に期待しています」（小口先生）
同校では２０２２年度入試より、従来の入試形式に加え「英語表現入試」を導入予定。英語スピーチ、英文の朗読、ジェスチャーやダンスなど、英語を使って自由に自分をアピールするという入試で、自己表現力や入学後の意欲を判断します。表現力のある生徒がクラスにいれば、周りの生徒も刺激を受けることは間違いありません。仲間とともに、影響を与え合いながら感性を育んでいける環境が整っています。
中学美術
創造することの楽しさを感じながら、造形的な創造活動の基礎的な能力を育てる。
高校美術
高１では音楽、美術、工芸、書道から選択。高２では美術ゼミやソルフェージュでよりハイレベルな技法を学ぶ。美大進学希望者への指導も。
中学1・2年生イングリッシュエクスプレス
英語で歌い、台詞を覚え、年に2回ミュージカルを発表。これまでは中2のみだったが、2021年度から中1もスタート。2年連続で取り組むカリキュラムになった。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
聖セシリア女子中学校
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