担当国の大使になりきり、模擬国連に挑戦!日本初「15歳のグローバルチャレンジ」
世界のさまざまな国の立場から
問題点を探り、解決方法を考える
桐蔭学園中等教育学校は、男女共学化して今年で3年目を迎えました。3年生となった共学一期生は今年、探究の授業で「15歳のグローバルチャレンジ」に取り組んでいます。この授業は世界のさまざまな国の大使になりきって、その国の立場から、より良い世界を作るために世界が団結して取り組むことを考えるというもので、日本初の試みです。この授業を担当している3年学年主任の橋本雄介先生にお話を伺いました。
「この授業の構想は共学化が決まった頃からあり、今年からスタートしました。まず、7クラスの生徒たちを1グループ3~4人程度の70のグループ(1クラス10グループ)に分け、それぞれのグループに担当国を割り当てました。70か国の中には例えばチャド、コートジボワールなど生徒たちには普段馴染みのない国も含まれています。第1回の授業では、まず、担当国の位置を世界地図で確認しました」と橋本先生。この70か国は「先進国」「発展途上国」「宗教の多様性」「大陸のバランス」などの視点で選定されたのだとか。グループ内では早速担当国のイメージを共有しました。生徒たちからは「ミャンマー担当になったが、自分たちにこの国の問題解決ができるのか不安」「担当する国はもちろん、それ以外の国の国際政治も知ることができるので頑張ります!」など、さまざまな感想が寄せられました。
模擬国連部の先輩が活動をサポート
「生徒たちは1年間、担当国の地理的な特徴、文化や歴史を調べ、『日本の中学3年生』という立場を捨てて、少しずつその国の国民に変身します。そして、政治的な問題、国内外の諸問題などについて深く考え、その解決方法を年度末に行われる『模擬国連会議』で発表します」(橋本先生)。模擬国連とは参加者一人ひとりが国連に派遣された政府代表の大使になりきり、自国の国益を守りつつ、より良い世界の実現を目指して議論をする会議です。同校の部活動には模擬国連部があり、7年連続世界大会出場という優秀な成績をおさめています。橋本先生は模擬国連部の顧問でもあり、年度末の模擬国連会議を行う際は模擬国連部の先輩たちにも議事進行役など授業のサポートをしてもらう予定です。
協働できるフィールドで議論の地平を目指す
同校の探究の授業では、1・2年生で課題を設定し、資料を集めて整理・分析をする作業を何度か繰り返します。それにより、幅広い視野を身につけた上で「15歳のグローバルチャレンジ」に臨みます。「1学期は担当国の公用語で挨拶を覚えるなど、その国を知るところからスタート。2学期には1対1で自分の担当国についてミニ会議をするなど、担当国を知るところから一歩前進します。ここで目指しているのは協働できるフィールドを持つことです。そのため、決してディベートで相手を倒さず、議論の地平を目指すように指導します。実際の国連も全会一致にすることを目的としているのと同様です」と橋本先生は話します。
これまでとは異なる視点で世界を知り、どのような分析をし、仲間と力を合わせて問題解決を図ろうとしていくのか-? この授業に1年間取り組むことで生徒たちの精神的な成長も期待できそうです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
桐蔭学園中等教育学校
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