自分の世界を広げながらしなやかな視点を養う先進的な学びから主体性を引き出す国際教養クラス
英語で思考しながら4つのCを深めるCLIL
横浜女学院中学校の国際教養クラスでは、英語で学び、英語で考えるCLIL(内容言語統合型学習)を導入しており、学年に合ったテーマを設定して、中学3年時より本格的に取り組んでいます。
英語で学ぶというと、一見語学力を高めるためのプログラムに思えますが、CLILではContent(教科内容)、Cognition(深い思考や学習スキル)、Communication(語学力)、Community/Culture(共同学習) という4つのCの向上を目的としています。そのため同校では、他の教科やそれに関連するテーマ、ESD(持続可能な開発のための教育)に沿った世界的な課題など、さまざまな内容を扱うとともに校外からのアドバイスなどの連携も行っています。
「多文化共生」をテーマに学びを進めた際は、文化からアイデンティティへと話題を移しながら、文化の否定とは何か、さらにはマイクロアグレッションと話題を広げていき、自分たちに何ができるかを考え実践へと挑みました。締めくくりとして行ったプレゼンテーションでは、文化的背景の異なる留学生をアドバイザーとして招待。難民問題への啓発、優しさをもって異文化と接する提案など、多様な視点からの発表の後には、留学生からフィードバックを受けました。「留学生との対話は、生徒たちが社会に実在する問題にアプローチできた瞬間でした。生の意見をもらうことで新たな気づきが生まれ、より自分たちの問題として考えを深めることができます」と、国際教養クラス・CLIL推進ファシリテーターの白井龍馬先生。その言葉どおり、プレゼンテーション後も学びを継続し、後日留学生に手紙を出した生徒もいたそうです。
生徒主導へと促し主体性を育むラーニングプロジェクション型授業
教わるだけの授業ではなく、生徒が自分で思考し学び取る形で進められるよう、同校ではラーニングプロジェクション型授業を採用。ラーニングプロジェクション型授業とは、小さなタスクをこなしながら段階的に内容を深めるもので、スタート時は先生が主導しますが、徐々に学びのオーナーシップを生徒に委ねていきます。「タスクをこなす中で自信や探究心が湧き、自発的な行動が出てくるようになります。最終的には『自分でやりたい』『自分でやらなきゃ』という意識改革につながるのがこの学びの特長です。多文化共生での生徒の手紙が、まさにそうです」(白井先生)。
概念をつなげて思考するクロスカリキュラム型授業
先のようにCLILやラーニングプロジェクションでは、社会に存在するさまざまな問題を扱います。その際、ひとつの視点から考えるのではなく、知識と想像力を働かせ、多面的な視点で考える必要があります。教科での学びから概念を捉え、それを利用し発展させる力を養うのがクロスカリキュラム型授業です。
例えば、社会科で近代史をたどりながら技術革新が人々に与える影響を考える。理科では、生命の複雑な構造から命の尊さを理解します。このふたつの概念を基に、遺伝子工学の是非、その延長にある生命について哲学的な探究をします。このように、複数の教科で得た概念を頭の中で結合させ、思考を広げていくことで、進路実現に加え自分の軸となる本当の学力、しなやかな視点を身に付けることができるのです。
昨年度からは、教科横断的なテーマを探究する「学びプロジェクト」を始動させるなど、さらに広がる同校での学び。説明会に足を運び、その魅力を感じてください。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
横浜女学院中学校
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