本物に触れて自然を体感するネイチャーイン活動
今年は中学生全員で江ノ島に行き、自然観察
橘学苑中学校では、総合学習の一環として「ネイチャーイン教育」を導入しています。このプログラムでは校内にある学苑農場「アグリラボ」で農作業を行ったり、長野県にある同校運営の施設「アグリネイチャーいいじま」に合宿して田植えや稲刈りを体験したりして、自然に触れる活動を軸に生徒の感性を伸ばしています。しかし、昨年から続くコロナ禍で合宿が難しいことから、今年度は中学生全学年で江ノ島で日帰りの校外学習を実施し、海における自然を観察しました。この江ノ島での校外学習の様子について、中学主任の山口久美子先生(数学)と、中1担任の森上需先生(理科)にお話を伺いました。
海の生態系から命の循環を感じる
「本校では普段は農作業を通じて自然や生物について学んでいますが、海における自然にはあまり触れてきていなかったため、今回は身近な海である相模湾における江ノ島の岩礁海岸と新江ノ島水族館で自然観察を行うことになりました」と山口先生。理科担当で大学時代は海の生き物について研究していたという森上先生は、「校外学習の日を6月11日にしたのは、この日が満潮と干潮の差が激しい『大潮』にあたり、潮間帯の生物をより多く見ることができるためです。潮が引いたあとにできるタイドプール(潮だまり)では魚や貝類、蟹などさまざまな生き物が観察できます」と話します。「今回の校外学習の場所に江ノ島を選んだのは、海洋生物に触れることはもちろん、潮の満ち引きなど、海のダイナミズムを体感してほしいという目的がありました」(森上先生)
教科書で見るだけでなく実物を見て、描いて確認
午前中は岩礁海岸でフィールドワークを行い、昼食の後は新江ノ島水族館へ移動。水族館に展示されている海の生き物を観察しました。この行事のしおりにはスケッチをするページがあり、海岸や水族館で印象に残った生き物をスケッチしました。「ここでスケッチをさせる目的は上手に描くことではなく、生物を注意深く見ることです。自分で描くことで観察する目を養い、考えるベースになってほしい」と山口先生は話します。「これをきっかけに機会があれば東京湾など別の場所でも校外学習ができれば。畑の生き物もそうですが、教科書に掲載されているものを見るだけでなく実物を見て、生命の営み、つながりを実感してほしいと思っています」と森上先生。同校のネイチャーイン教育は理科教育のみならず、探究心や知的好奇心も育んでいます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
橘学苑中学校
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