自分らしいかかわり方を考えて進む、真の国際理解教育に注目
国際理解教育は視野を広げ、五感を磨く貴重な機会
創立者が国際ボランティアのパイオニアである桜美林の国際理解教育は、日々教室で学んでいる語学の実践にとどまらず、異なる文化や価値観に触れることにより視野を広げ、五感を磨くことを目的としています。全員参加のオーストラリア研修旅行(中3・全員)をはじめ、海外留学プログラムが豊富な上に、留学生の受け入れも積極的に行っており、学内にいても異文化交流を体験できる環境が同校の魅力の一つです。
新型コロナウイルスの影響により、昨年度は海外へ渡航しての研修がすべて中止になりました。今年度も厳しい状況に変わりはありませんが、長期留学(高1/8月末~翌6月末)を希望する8名がカナダへ渡航。毎年、実施している韓国・細花高校(姉妹校)との交流も、オンラインによる再開に向けて調整を進めています。韓国語の選択授業受講者(中3希望者/高校でも継続可。中国語も実施)にとっては、日頃の学習の成果を発揮する、貴重な場となるでしょう。
発展途上国の実情を視察する、オンラインツアーを実施
そうした現状の中で、高校生を対象に、カンボジア、フィリピンをオンラインでつなぐ体験型プログラム「Global Study Tour for SDGs」(90分×5日間)が実施され、3年生12名・2年生4名が参加しました。2年生は3名が中学校からの内進生です。
その一人、望月美佑さんは海外に興味があり、発展途上国の実情を知りたいという思いから参加しました。望月さんは入学以来、授業を通して英語を学ぶ楽しさを知り、農家ホームステイ(中2)では自ら働きかけるコミュニケーションの大切さを肌で感じて、英語力とコミュニケーション力、2つの力が試されるオーストラリア研修旅行(中3)で自信をつけました。「将来、人と心を通わせる仕事がしたい」という思いが芽生えたのもこの頃です。海外留学も視野に入れていただけに、今回は一歩を踏み出す格好の機会になりました。
「そこで目にした、学校に行けない、満足に食事がとれない、ゴミ山(ダンプサイト)で生きるしかない…。そんな子どもたちの姿はすべてが衝撃的で、自分が暮らしている環境は当たり前ではないことを痛感すると同時に、この状況を多くの人に知ってもらう必要がある。その役割を私が担いたいと思いました」
人々の生き様に心を揺さぶられ、自身の生き方を考える生徒たち
このプログラムのねらいは、発展途上国の支援者を媒介に、2つの国が抱える問題を自分なりに受け止めて考えることにあります。杉浦侑里香さんは、SDGs 17の目標から1つ選んでレポートを書くという課題(高1)で知識や考えを深めた『飢餓をゼロに』をフックに、発展途上国の支援活動に興味を持って参加しました。支援活動をしている人の中にはNPO法人のインターン大学生もいて「刺激を受けた」と言います。
「自国ではない場所で生活する勇気や、現地の人とコミュニケーションを図ろうとする意欲にあふれていて、海外ボランティアの活動をもっと知りたい、自分も大学生になったら参加してみたいという気持ちになりました」
社会問題は非常に複雑で、簡単には解決できません。実情を目の当たりにしても、自分に何ができるのだろうと立ち止まってしまいがちですが、同校には6年間かけて自分らしい一歩を踏み出す準備をする機会がたくさんあります。背中を押してくれる仲間や先生がいます。その心強さやあたたかさを、ぜひ学校に足を運んで感じてください。
(望月美佑さん/弓道部)
私の進路のキーワードは「コミュニケーション」です。その根底には、合唱コンクールや体育祭など、クラスが団結する活動を通して実感した協働や共創によるやりがいがあります。今回のツアーに参加するまでは漠然としていましたが、貧困に苦しめられている方々を支援したいという気持ちがふくらんでいます。
(杉浦侑里香さん/ダンス部)
人とかかわる経験値を積めるのが、6学年が同じキャンパスで学ぶ中高一貫校の魅力だと思います。私は部活動で鍛えられました。今回、海外の方との交流でもそれは力になり、話しているうちに英語への苦手意識が消えていました。私が好きな『食』と『世界』がつながり、今は子どもたちに平等に食を届ける仕事に魅力を感じています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
桜美林中学校
[学校HP]https://www.obirin.ed.jp/
〒194-0294 東京都町田市常盤町3758 Tel.042-797-2668
最寄駅/
JR横浜線「淵野辺駅」徒歩20分。「淵野辺駅」・JRなど「町田駅」からバス「桜美林学園前」ほか。スクールバス:京王線・小田急線・多摩都市モノレール「多摩センター駅」、「淵野辺駅」からあり。