私学探検隊

芸術教育が盛んな聖セシリア。 仲間と一緒に感性と表現力を育む

仲間とハーモニーを奏でる楽しさを知る

はじめは自信を持って歌を歌うことを目指し、徐々に合唱の魅力を学んでいく。音楽室いっぱいに生徒達の美しい歌声が響く

はじめは自信を持って歌を歌うことを目指し、徐々に合唱の魅力を学んでいく。音楽室いっぱいに生徒達の美しい歌声が響く

聖セシリアの一日は、聖歌から始まります。中学1年のはじめは全員が同じメロディを歌いますが、徐々にパートが分かれてハーモニーを奏でるようになり、高校になると伴奏がなくても歌えるようになる、といいます。全員で歌うことで、声をあわせることの喜びと大きな達成感を味わいます。
音楽の授業は中学3年間で基礎を学び、選択科目となる高校1年からは、より発展的な内容に取り組み、理解を深めます。高校2年からはソルフェージュなどをより専門的に学ぶことができます。
音楽科担当の大野栄子先生は、授業のなかで生徒一人ひとりの自己肯定感を育み、音楽を通じて表現の楽しさを実感できるようになってほしい、といいます。
「学年を経るにつれ表現の幅も広がり、『もっとこうしたい』等、工夫できるようになってきます。友だちの音を聞き、お互いに認め合いながら、自分らしい表現を追求していってほしいと思っています」(大野先生)
中高6年間で音楽の楽しさを知った生徒のなかには音楽大学へ進学する生徒が毎年います。その卒業生の中にはオペラ歌手や新日本フィルハーモニー交響楽団で活躍する人もいます。

美術では、難易度の高い課題に挑戦して考える力を育む
美術教育に定評のある聖セシリア。校内を歩くとあらゆる場所に、生徒たちが授業やクラブ活動で制作したレベルの高い美術作品が見られます。
中学美術では創造活動の基礎的な能力を育て、高校の選択授業で美術を選んだ生徒はよりハイレベルな技法を学びます。
聖セシリアの美術教育の特徴は、本物のあらゆる画材を使って体験的に技能を習得していくこと。美術科担当の宮本穂曇先生は「まずは、いろいろな技法を学び、ひとつずつできることを増やしてほしい」と語ります。さまざまな材料を使ってその扱いの難しさや表現のおもしろさを体感しながら、少しずつスキルアップしていくのです。
高校2年の美術ゼミナールのある日の授業では、「味覚の色彩構成」という課題に取り組んでいました。「甘い」「辛い」「酸っぱい」といった味覚を具体的な言葉にして、さらに色彩に落とし込むという難易度の高い課題に対し、生徒たちは頭を悩ませながらも筆を進め、先生にアドバイスをもらっていました。
先生は生徒一人ひとりに「何をイメージした?」「赤と青だったらどっち?」など思考を深めるような質問を投げかけ、創作をサポートしていました。
「目の前の課題に、どのように向き合っていけばいいのか、生徒たちは悩みます。そのときに私がすぐに答えを出すのではなく、できるだけ生徒に考えてもらうようにしています」(宮本先生)
簡単に解決できない問題に対して、考えを深め、試行錯誤しながら自らの力で判断して乗り越えていく力は、卒業後もあらゆる場面で役に立つことでしょう。

物語に入り込み、役柄を全身で表現!
芸術教育で特徴的なのが、英語でミュージカル発表を行う「イングリッシュ エクスプレス」。全員が舞台に立ち、観客に楽しんでもらうことを目標に演劇をつくり上げることで、語学力だけでなく、表現力や協調性を育むプログラムです。
これまでは中学2年生の必修科目でしたが、2021年度から1年生もスタート。英語劇によって表現する楽しさを実感することで、生徒たちはその後積極的に英語コミュニケーションの力を磨いていくことができます。早期から英語への苦手意識を払しょくする狙いもあります。
指導にあたるのは、英語芸術学校マーブルズ代表の小口真澄先生。本校がイングリッシュエクスプレスを開始した10年前から指導にあたっています。ある日の授業では、中学2年生が「オズの魔法使い」の練習に取り組んでいました。はじめは声が小さく、動きもゆったりとしていた生徒たちも、小口先生のパワフルでユーモアあふれる指導によって徐々に大きく身体を動かせるようになってきました。授業の最後には、「思いっきり身体を動かしたら気分がよかった」「初めての通し練習としてはうまくできた」という生徒の声があり、授業を通じて達成感を感じていることがわかりました。
小口先生によると、1年次に授業を経験している2年生は「即興で動く力」がついている、といいます。「1年生のはじめの授業では、周りを気にしてなかなか身体を動かすことができません。でも徐々に、間違ってもいいから、自分で考えて動くことができるようになります。英語が正確でなくてもOK。発言することが大切です。とにかく一歩を踏み出す行動力をつけてほしいですね」
さらに、小口先生は、周りを大切にしながらみんなで劇を進めていく力もついている、といいます。ダンスや歌が得意な生徒もそうでない生徒も同じステージに立ってひとつの作品をつくり上げるうえで、お互いをフォローする姿勢が自然と身につくのでしょう。

芸術表現を通じて自分らしく生きる大切さを知る
音楽科の大野先生は、芸術を通じて「こうしてみたい」という内なる欲求に耳を傾けながら自分を見つめ、また仲間のために働きかけることによって、自己理解や自己肯定感につながる、といいます。「音楽や美術、演劇を通じて、他者のために自分が役立つ幸福感を感じながら、お互いに感性を磨き合っていってほしいと思います」(大野先生)
情操教育にとどまらず、仲間の個性を認めながら自分らしく生きることの大切さを学んでいきます。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

聖セシリア女子中学校
[学校HP]https://www.cecilia.ac.jp/
〒242-0006 神奈川県大和市南林間3-10-1 Tel.046-274-7405
最寄駅/
小田急江ノ島線「南林間駅」徒歩5分。小田急江ノ島線・東急田園都市線「中央林間駅」徒歩10分。

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