ELEC英語教育賞・文部科学大臣賞を受賞 英語で学びながら創造的思考力を培うCLIL
横浜女学院中学校では、Content(教科・テーマ学習)、Cognition(高次思考力と学習スキル)、Communication(言語の学びと言語の使用)、Community(異文化理解/協働学習)という“4つのCの向上”を目的に英語で学び、考えるCLIL(クリル・内容言語統合型学習)を展開。国際教養クラスからスタートしたCLILは、「知的好奇心を刺激し、深い思考へと向かわせる授業を」という先生方の熱意により常に進化し続けています。今年3月にはその取り組みが認められ、2021年度ELEC英語教育賞・文部科学大臣賞を受賞しました。
オーセンティックな素材を用い生徒の関心を引きだす
「CLILは単純に英語で授業を行うのではなく、テーマに基づき英語で思考させることが一番の目的です」と、英語科の鯉渕健太郎先生。そのため教育の特長のひとつであるESD(持続可能な開発のための教育)ともリンクする「生物多様性」「多文化共生」「世界平和」をテーマの主軸としています。さらに、生徒の関心を高め主体的な姿勢を引き出すための仕掛けとして、オーセンティックな素材を大切にしていると鯉渕先生はいいます。
世界史を題材にした際には、実際にアメリカの高校で使用されている歴史教科書を読んだ後、日本の教科書との比較・分析を実施。生徒からは「多様な視点で考えることの必要性がわかった」「物事の切り取り方次第で認識の違いがうまれる」「アメリカの教科書を読めて嬉しい」などの感想がありました。「難しすぎると、テーマも英語もわからず二重の苦しみになりますが、少し辞書を引けば理解できる絶妙なレベルに設定することで、内容も英語も2倍以上のおもしろさになるのがCLILの利点です」(鯉渕先生)。
英語の基礎力を高めたうえで、中学3年からCLILに取り組んでいる同校。中学での大きな節目となるのが3年時に全員参加で行われるニュージーランド海外研修です。ホームステイをしながら姉妹校等に通う中で、CLILで取り組んだテーマについて発表をしたり現地の生徒と話し合ったり。体験の中からさまざまな刺激を受け、学校での学びをさらに発展させていきます。教頭の佐々木準先生は「海外研修はCLILの大きなターニングポイントです。『うまくいった』『全然ダメだった』など、現地でいろいろなことを感じ、その感情が次の学びのステップになります。現在はオンラインで海外の学生と交流をしていますが、体験に勝るものはありません。ですから、はやく海外研修や留学ができる状況になって欲しいです」。
新たな気づきをうむ原体験を大切にしたい
実社会の問題や哲学対話など他校の生徒とのディスカッションを中心に、思考力を磨いてきた「学びプロジェクト」。今年は各国の留学生を招いてのイングリッシュキャンプを予定しており、「海外研修のように多様性を肌で感じ『自分とは何なのか』という内省的な考えへと発展できる内容にしたいです」と、鯉渕先生は意気込みを語ります。佐々木先生は、「留学生との会話は基本英語になるかと思いますが、言語習得が目的ではありません。異なる文化をもつ人との交流から気づきを得て欲しいですね。その『原体験』こそ、生徒の未来をより豊かにすると考えています」と話してくれました。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
横浜女学院中学校
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