私学探検隊

自主性を育て、熱くのめり込める中高時代 “遵法自治”で、生徒が主体で作り上げる学園祭

先輩たちの背中を見て自分も熱くなりたいと思った

実行委員長の島くん(左)と石渡先生(右)。東京タワーが見える都心の校舎で。

実行委員長の島くん(左)と石渡先生(右)。東京タワーが見える都心の校舎で。

「前年の実行委員長の最後の涙での挨拶を聞いて、心を揺さぶられました。こんなに熱くなれるものがあるっていいなと。受験勉強もあって忙しくなるからと当初は考えてもいなかったのに、その挨拶を聞いた瞬間に僕の心は決まっていました」。
創立110年を超える伝統ある男子校、芝中高の今年の学園祭実行委員長を務める島海大(かなた)さん(高2)は言います。
校訓である「遵法自治(じゅんぽうじち)」とは、自然の真理に逆らわず、自主・自立の態度で自分を治めること。芝の学園祭は、まさにその精神を体現したような生徒主催の学園祭です。実行委員の中心となる本部の5人は、前年の学園祭後に立候補を受け、前年の本部メンバーによる面接によって決まります。決意を固めた島さんも面接を受け委員長に選ばれました。
「やりたい企画や意欲以外にも、先生や友人との関係づくりなども聞かれました。それから1年、本部メンバーはほぼ毎日相談をしてここまできました」
委員選びだけでなく、予算管理から全体のテーマ、装飾、出店や舞台発表、グッズ販売まで全て生徒が進めます。今年はコロナ対策として、エアペイを導入し、キャッシュレス販売を可能にしました。
生徒会係主任の石渡健児先生は、そんな生徒たちを頼もしく感じています。
「委員選びも学園祭の内容も事後報告。やりたいことはたくさんあって様々な意見が出るようですが、その精査もきちんと自分達で話し合って決めている様子は、まさに遵法自治が実践されているのを感じています。生徒がやりたいと思うことを可能なことは工夫してやらせてあげるのが教育。教師は、安全など最後の砦の役割をしてあげられればいいと思っています」
実行委員は、実は約400人の大所帯。自主性を重んじるため、出し物もクラスごとの強制はなく基本的に有志やクラブごとの参加。委員も中3~高2までやりたい人が参加し、装飾やダンスなど9つの部署に分かれて準備します。それぞれにチーフ、サブチーフ、会計などを決め、本部5人と9部署のチーフたちが協働して作り上げる一大イベントです。

コロナ禍の嵐を抜けて新たな航海に出よう!
2年ぶりに一般の来場者を受け入れる学園祭に意気込みもひとしおです。
「テーマは“Von Voyage”。コロナ禍という嵐を抜けはじめ、やっと新たな航海に出るという思いを込め、会場全体も海のイメージで装飾する予定です。去年、参加している子どもたちの姿に感動し、今年はさらに来てくれる人たちが楽しめることを考えています」と島さん。
その1つが、生徒が作り出した芝の新たなキャラクター。当日は、撮影できる顔出しパネルやオブジェの設置、クッキーやキーホルダーが販売される予定です。さらに、コロナ前に人気を博した「きかんしゃトーマス」のミニ電車も復活。技術工作部が設計から組み立てまで行い、来場者が乗ることができます。
最後にお2人から見どころを紹介。
「さらに今年は総合的な学習の時間を使って、中1、中2がクラスごとでの出店を予定しています。普段はクラブ以外はお客様的な中1、中2が企画から実施まで自分達で行います」(石渡先生)
「“怖すぎる”とクレームが入るほどの芝のお化け屋敷は、今年は特設サイトを用意し、工夫を凝らしてさらにレベルアップしています。外のステージでは、ダンスやバンドも盛りだくさん。当日の様子は動画撮影し、今後配信も予定していますので参加できない方も楽しめるように考えています」(島さん)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

芝中学校
[学校HP]https://www.shiba.ac.jp/
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-37 Tel.03-3431-2629(代表)
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