課題をみんなで共有しながら、問題を解決するインクルーシブ・リーダーシップを育む
学校行事は、生徒による実行委員会が企画運営
創立134年。「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を教育目標に掲げる東京女学館。同校では、人や社会との繋がりに重きを置いてより良い社会を築き上げる「インクルーシブ・リーダーシップ」を育む教育を推進しています。一人のリーダーが牽引するのではなく、課題をみんなで共有しながら団結して解決する力のことです。
そのため、体育大会や記念祭などさまざまな学校行事を、実行委員会方式(スタディ・アジェンダ)で企画運営し、生徒たちの主体性と実践力を養っています。
体育大会実行委員会が仕切る!3年ぶりの中高合同体育大会
6月中旬、2019年以来3年ぶりの中高合同体育大会が開催されました。6学年対抗のリレーやダンスなど、各学年が団結して白熱した展開に、熱く燃えた1日でした。
大会を仕切ったのは体育大会実行委員会です。事前準備から始まり、競技種目の検討、用具の準備、当日の記録、審判、放送、招集誘導など、各委員が役割分担して運営します。今年はコロナ禍の安全対策や熱中症対策も必要という条件の中、4月から生徒たちは準備に追われました。
中2の時から保健体育委員という、同委員長A・Hさん(高2)と同副委員長のN・Sさん(高2)は、同じ小学校出身の幼馴染です。
A・Hさん 久しぶりのフル開催なので、団結力を強くしたいと思い、今年から各学年のスローガンを決めて横断幕を作ろうと提案しました。学年対抗種目として新たに『大縄跳び(4m)』も加えました。
二人の役割分担は?
A・Hさん 私が前のめりになると、冷静にフォローしてくれます。
N・Sさん A・Hさんはとても機転がきくタイプで、私に足りないところをたくさん持っているので、頼りにしていました。
「力を合わせて一つのことを成し遂げる作業が好きだから、委員長に立候補しました」と言うA・Hさんのやる気を、N・Sさんが補佐しながら進めていくという2人の信頼関係が構築されていました。
N・Sさん 一つの目的に向かって、一致団結して取り組むことにやりがいを感じるし、達成感があります。
2人とも準備期間中は、「寝不足になりました」と笑いながら、その笑顔は満足感に満ちた自信に溢れていました。
生徒たちの成長と個性、潜在能力を再発見
委員会の奮闘を見守りながら相談役となっていた保健体育科の𣘺本有紀先生は、「生徒たちの成長に目を見張った」と話します。「最初の頃は不安気に相談に来ていましたが、後半は問題点をきちんと整理して、こうしたいという解決案を持ってやってくるようになりました。賑やかで元気な生徒たちが多い委員会を、2人は冷静に把握しながらあ・うんのコンビネーションでまとめていました。A・Hさんは全体像を把握しながら、細部にも目が行き届いています。N・Sさんは控え目な印象がありましたが、言うべき時に主張できる強さを持ち合わせていると、生徒たちの違った一面も発見できました」
生徒たちの自主性を尊重して、一歩引いてサポートする先生方。インクルーシブ・リーダーシップには、生徒一人ひとりが持つ潜在的な能力を引き出し、チャレンジ精神を高める力も含まれているのです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京女学館中学校
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