私学探検隊

大学訪問授業とTOKO SDGsで正解のない難問に挑む力を育む

SDGs委員会の様子

SDGs委員会の様子

学校長の中野浩先生は2019年に就任した際、「1,他者との関わりの中で自己を高めていこう」「2,失敗を恐れず失敗から学んでいこう」「3,一生続けられる好きなことを見つけよう」という3つの教育目標を掲げました。「大学訪問授業」と「TOKO SDGs」は、これらの教育目標を具現化したものです。

問題や課題に向き合う姿勢も教えてくれる「大学訪問授業」
「大学訪問授業」は中野先生が進路指導部長時代から中心になって取り組んできた、20年近く続く名物プログラムです。講師は大学教授をはじめ各界で活躍する専門家で、中高生たちに大学での講義をします。生徒たちは講師の先生が楽しそうに話すのを見て、学問や学び続けることの面白さを感じ取ります。数年前には坂本龍一氏や谷川俊太郎氏なども登壇したことも。また、この授業をきっかけにめざす大学や学びたい学問を決める生徒もおり、進路指導としての一面も担ってきました。しかし、中野先生はコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻など昨今の社会情勢から、大学訪問授業の新たな意味に気づかされたと言います。
「ここ数年の社会の変化・複雑化・グローバル化は急激です。こういった問題を見ると、答えは一つではないことに気づかされます。大学訪問授業の先生方は、多面的なモノの見方、問題に向き合う姿勢を教えてくれます。問題に立ち向かうには、まずは正しい知識や情報を得ることが重要です。そのうえで根拠を考え、さらに他者の考えを知り、自分の意見をもつ。ただ、複雑な問題に取り組むには時間がかかります。しかし、それが本物の魅力です。大学訪問授業は課題が多い現代だからこそ必要な学びなのです」

「TOKO SDGs」で答えが一つではない問題に挑む
「TOKO SDGs」は、その名のとおり同校独自に定めたSDGs。こちらも中野先生が教頭時代からあたためていたもので、コロナ禍を経て、昨年から本格的に始動しました。
「国連で採択されたSDGsだと生徒には身近なものばかりではないので、本校独自のSDGsを作りました。17の目標は教員が設定しましたが、それに紐づく具体的な内容は200名のSDGs委員会の生徒たちが考えたものです」
たとえば「格差」というテーマでは「男女」「世代間」「食糧」「経済」といった格差から「なぜ格差が生まれるのか」などの内容などがあり、バラエティーに富んでいます。
「『TOKO SDGs』では生徒たちがLHRなどの時間を利用して、SDGs委員会が考えた課題に取り組んでいます。まず様々な資料にあたり、意見を出し合い、時にはフィールドワークも行います。『TOKO SDGs』では複雑化し、答えが一つではない問題や課題に対する向き合い方を学んでいるのです。また、生徒たちに、自ら学ぼうという自主性が見られるようになってきました。これも嬉しい変化です」
困難な問題に取り組む姿勢は、今後ますます必要となるでしょう。大学訪問授業で大人たちのその取り組む姿勢を見て、学び、「TOKO SDGs」で自ら実践する。学問を究めようとする生徒たちが育っています。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

桐光学園中学校
[学校HP]http://www.toko.ed.jp
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