私学探検隊

アカデミックマインドの育成に力を入れ、生徒の熱量を高めて進路実現につなげる

PBLの授業で行われているマインドマップ

PBLの授業で行われているマインドマップ

全学年に探究活動を導入し、アカデミックマインドの育成へ
武蔵野大学中学校・高等学校は、2024年に創立100周年を迎える伝統校です。2019年にそれまでの武蔵野女子学院から現在の校名となり、男女共学化。時を同じくして、現・学園長の日野田直彦先生が校長として着任し、学校大改革がスタートしました。現校長の中村好孝先生着任後もさらなる改革により発展を続けています。今回は、これまで継続してきた取り組みの成果と新たなチャレンジについて、入試広報部部長の小幡武憲先生にお話を伺いました。
同校では「グローバル&サイエンス」をテーマに掲げ、中学の3年間は英語をツールとして世界に貢献できる人、問題解決スキルのある人を育成。高校に進むと医学部や国公立などの難関大学を目指す「ハイグレード(以下HG)」、海外大学や国際関係学部などを目指す「PBLインターナショナル」、武蔵野大学も視野に幅広い進路を目指す「本科」の3コースに分かれ、それぞれの進路に向けて学びを深めます。
また、同校では「チャレンジ」を合言葉に教科の枠を超えた言語活動、PBL(Project Based Learning)を導入。アカデミックスキルを養い、それを活用したプロジェクトに取り組み、探究心を深めます。これらの活動では失敗を恐れず、そこからフィードバックを経て、トライアル&エラーのサイクルを構築し、主体的に課題発見・解決する力を養うことを目的としています。高校生になると、専門企業とタイアップしたスペシャル講座「LAM(Liberal Arts Musashino)」、各コースの特色に沿ったプロジェクト「MAP(Musashino Advanced Project)」という独自のプログラムを実施し、将来の進路を考える機会につなげています。高1の生徒を対象としたLAMではロボット工学、アートシンキング、社交ダンス、演劇、WEBデザイン、法律などの中から希望の講座を選択することができます。いつもの授業とは異なる世界に触れ、視野を広げることにより、普段の学びの原動力につなげます。一方、高2を対象としたMAPではLAMで磨いた非認知スキルや自己を客観視する力を武器に自己分析を行い、理想の進路実現のために視野拡大をはかります。コースごとにHGはアカデミックマインド、PBLはアントレプレナーシップ、本科は自己ブランディングを主軸とした課題に取り組みます。「さらなる改革として東大出身者による組織『カルペ・ディエム』とのコラボ授業も始まりました。この授業は中3と高2(HG)に設置され、身の回りのwhy(なぜ)に着目し、学びの姿勢を構築するアカデミックマインドを養います」と小幡先生は話します。

生徒の熱量を高めるEX(熱量推進)部が誕生
同校では学業だけにとらわれず、生徒と教員がともに心躍る、活気ある学校生活をめざしています。そこで誕生したのが生徒の熱量を高めるためのマネジメント組織「EX(熱量推進)部」です。ここ数年、コロナ禍により、修学旅行、文化祭などさまざまな学校行事が中止や縮小に追い込まれ、生徒の学校生活における熱量の源が奪われています。EX部では、「こんな時代だからこそ生徒の熱量を上げていこう」と、「非日常、ワクワク、冒険」をキーワードにさまざまな仕掛けづくりに挑戦しています。まずは朝の登校時に生徒会メンバーが生徒たちに「おはようございます」と声をかける取り組みを始めました。続いて、「チアーズカード」を贈り合うことを提案。校内に設置された手のひらサイズのカードに生徒同士、生徒から先生、あるいは先生同士などへ「ありがとう」のメッセージを記入。それをカードとともに設置された回収ボックスに入れておくとEX部の先生たちが相手に配達してくれるというものです。「小さなことでもお互いに感謝の気持ちを伝えることで生徒だけでなく、教員も熱量を高めることができ、モチベーションにつながっています」(小幡先生)

積極的に外部のコンテストや学校説明会に参加する生徒たち
同校ではこれらの取り組みによりPBLなどでのワクワクする体験から教科学習にコツコツ粘り強く取り組む姿勢を引き出し、アカデミックマインドの育成や生徒の熱量を高めるという成果を打ち出してきました。生徒たちの主体的に行動する姿勢からも取り組みの効果が発揮されていることが窺えます。
例えば、今年の3月にはPBLコースの生徒の有志5人が身の回りの課題を解決するプランを競う「ソーシャルイノベーション・リレー」国内大会で準優勝するなど、外部のプレゼンテーションコンテストで受賞しました。「この生徒たちは東北地方の漁業の担い手が減っていることに着眼し、実際に現地に赴いて漁業体験までした上でプレゼンテーションの内容を練り上げたといいます。このようにいろいろなことに自ら挑戦でき、最後に教員がフォローしてあげられるような環境を整えていることも本校の特長です」と小幡先生は話します。また、昨年度の中3の生徒たちは、ラジオ番組の制作に取り組みました。生徒たちが制作した番組は地元のコミュニティーFMで放送され、ラジオアプリを通じて全国に配信されました。「番組の内容はおすすめの旅行先や親に言えない中高生の悩みなどでしたが、ターゲットの年齢層をどうするのかなどを生徒たちに考えさせました。番組制作からDJまでを生徒が担当し、ラジオ局の方々とのやりとりなど普段の学校生活ではできない経験から学んだことも多かったと思います」(小幡先生)
このように普段のPBLなどの授業でプレゼンテーション能力を身につけている生徒たちは、外部の活動にも積極的に参加し、その力を発揮しています。また、学校説明会にも有志の生徒たちが関わっています。10月のオープンスクールで開催する説明会は構成を生徒たちが考え、当日の進行も生徒に任せて開催する予定です。オンラインでも同時開催され、生徒たちの様子がわかる機会なので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

武蔵野大学中学校
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Tel.
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