私学探検隊

成長が楽しみ!確かな手応え・体験型“教養”教育

アース・ツアー(中3)では水田学習や「ナショジオ」の学びに関連させて屋久島や種子島を訪問する

海のフィールドワーク(中2)は東海大学海洋学部の協力により、環境問題を体感できるプログラムが盛りだくさん

中高一貫の1期生が高校生に。頼もしく成長した姿に、教養教育の成果を実感!

この春、中高一貫の1期生が中学を卒業し、高校生になりました。高校から入学した生徒に比べると、「多くの行事を体験し、『見えない学力』を身につけている分、頼もしく感じます」と話すのは、彼らと共に中学校を作ってきた宇田川知己先生です。
「先日、土曜講座で本校校長が生徒に教養の必要性を語りかけたのですが、まさに吸収力のある中学時代こそ、いろいろなものに触れることが大切だと思います。大学受験に向けてまっしぐらで、無駄なことを極力させない環境で育ったら、グローバル人材の育成が急務といわれている中、英語を話すスキルはあっても話題に事欠く人間になってしまいますよね」
成立学園は基礎学力(見える学力)の徹底と、社会人のベースとなる教養教育(見えない学力)の実践を理念に掲げて、4年前に中学校を開校。20名×2クラスの募集で、生徒の個性をつぶさないように配慮しながら、日々の教育で理念を実現しています。

体験的×相互的アプローチで期待以上に成長。先輩の背中を見て育つ土壌もできた!

「ナショジオ」のグループ学習発表会。上級生の背中を見て育ってほしいから、今年度は卒論発表も下級生の前で行います

教養教育の軸は「アース・プロジェクト」(中1~高2まで、環境や科学など、学年ごとにテーマを設定)と「キャリアプログラム」です。本物に触れる・実際にやってみる「体験的アプローチ」と、プレゼンやグループワークなどに取り組む「相互的アプローチ」のかけ合わせにより、興味・関心を引き出すだけでなく、チャレンジすることの大切さやおもしろさ、コミュニケーションスキルなども学ばせています。
例えば、地球の今を伝える、世界一流の写真家が撮影した美しい写真が高く評価されている雑誌「ナショナル ジオグラフィック日本版」を定期購読(中1~高2)。家庭で読み、気になった写真を1枚選んで、その写真が示していることを考え、気になったことをワークシートに書き込みます。また年に1度、グループでも写真をもとに調べ学習を行い、工夫を凝らしてまとめたものを発表し、優秀作品を表彰するといった取り組みも行っています。
「1期生が高校に上がる直前の3月にグループ発表をしたのですが、3年間の集大成にふさわしい見事な発表で、それを見た1、2年生が刺激を受けたのは間違いありません」
創立4年目にして、先輩の背中を見て育つ土壌が、中学にも根づき始めています。

「見えない学力」を育む、数々のプロジェクトが、将来を切り拓く力に!

二松学舍大学の協力により実現した「論語講座」。講座の第1回では、教養の大切さについて、校長先生が直接生徒たちに語りかけた

練りに練ってスタートした中1からの教養教育でしたが、生徒がどのくらい吸収し、成長するかは、1期生が育って始めてわかります。
「日々の生活の中で成長を感じてはいましたが、確かな手応えを感じたのは卒論でした。『働くということ』をテーマに卒論を書くことになった時、ある女子生徒が『私は環境保全に関わる仕事がしたい』と言ってきたのです。環境省に取材を依頼し、夢をかなえるにはどの大学、どの学部に進めばいいかまで調べ上げていました。思えば『ナショジオ』のワークシートも、その子はいつも内容の濃いものを書いていました。日々の取り組みをきっかけに、進むべき道を決めて将来を切り拓こうとしていると思うと感無量でしたね」
中2から高1が取り組む講談社Rikejoとのコラボプログラムなど「キャリアプログラム」も相まって、体験型教養教育は確実に成果を上げています。

成立学園中学校
[学校HP]http://www.seiritsu.ac.jp/
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