私学探検隊

考える力と高い英語力で国際的教養を身につける

論理的思考力を身につける「サイエンス」の授業

サイエンスの授業。有用な情報を捉え、論理的に説明ができるようになるための訓練を行う

現代社会では、ただ英語を話せるだけではなく、世界各国の人々と共にいきていけるコミュニケーション能力が必要とされています。かえつ有明中学校では、このようなグローバル社会を生き抜くことができる人を育成するために、「サイエンス」という授業が行われています。サイエンスプロジェクト責任者の山田英雄先生にお話を伺いました。
「本校サイエンス科では、理科の授業をするのではなく、全ての教科を下支えする思考力を身につけるためのトレーニングを行っています。これはクリティカル・シンキングスキルを取り入れた独自のカリキュラムで実施されています。例えば、『比較・対照』のスキルを使ったり、『因果関係』に焦点を当てたスキルを使いながら、情報を意見と事実を分けながら取り込み、論理的に整理し、発信していきます。こうしたトレーニングは欧米ではごく自然に授業に取り入れられています。ところが、日本では、このようなスキルを身につけて論理的に意見を言う、というトレーニングが不足しています。つまりは海外に出たときに日本人的なチャンネルで発言・行動してしまい、誤解されることもあります。こうしたグローバル社会の基盤はクリティカル・シンキングをもとにした発想にあります。そこで、日本人も早いうちから学校現場で欧米人に通用するチャンネルを身につければよいのではないか?こういう考え方から生まれたのがサイエンスの授業です」と山田先生は話します。
「この授業では、コンテンツは様々な教科や活動を利用し、どの学年でも情報収集・情報分析・分析結果の発表、といったフォーマットを使いながらトレーニングを積みます。このトレーニングを通して論理的な思考法を身につけたことにより、大学入試の記述問題や英文の長文読解に役立ったという卒業生の声も聞かれました。サイエンスで培ったスキルが生きているようです。また、書くためのフォーマットが身につくので、推薦入試などの自己推薦文などにも役立っています」(山田先生)
サイエンスの考え方は、全教科で横断的に取り入れられてきています。定期テストでも思考力を問う設問を積極的に取り入れるなど、教科の枠組みを超えて、よりよく生きる力を身につけることができるよう、学校全体で取り組んでいます。

語学教育プログラムや帰国生へのサポートも充実

国際社会を生きるためには、もちろん、語学力も必要です。
「本校では、多種多様な英語研修の機会が用意されています」と山田先生。
また、多くの帰国生が在学しているのも同校の特徴です。「帰国生を積極的に受け入れるのはもちろん、自身が帰国生の教員や現地校勤務経験のある教員を配置。高度な英語教育や、日本語講座などのフォローがあり、万全な体制を整えています」(山田先生)
同校では、「真の国際人」を育成し、国際関係学部などのグローバル系大学進学日本一を目指します。

サイエンスの授業で使われている、テーマごとの「リサーチノートブック」。情報を的確に収集、分析、統合できるように、1冊ずつ編集に工夫が凝らされている


かえつ有明中学校
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