世界に通じるコミュニケーションスキル教育 「言語技術」で真の国際人を目指す
現代社会に不可欠な万国共通の「言語技術」
近年、グローバル社会において、英語力が重視されています。けれども、たとえ英語を流暢に話すことができても、「物事の筋道を立てて説明する力」や「相手の言いたいことを的確につかみ取る力」がなければ、異なる文化や習慣を持つ外国人とは、良好なコミュニケーションを図ることはできません。
昔から日本人は、思いやりや察し合いを基調とした意思疎通を好み、言葉による表現を控え目にしてきました。また、日本の国語教育においても、表現力より読解力の育成が重視される傾向にあります。一方、欧米をはじめとする諸外国では、母語教育の授業で、「読む」「書く」「聞く」「話す」という4技能をバランスよく伸ばす指導が行われています。一般にランゲージ・アーツと呼ばれ、その翻訳語が「言語技術」です。森村学園では、世界に通用するコミュニケーションスキルを育成するために、昨年度より中学生を対象に、この「言語技術」を学ぶ授業を週1回実施することにしました。
現代にも通じる創立者の思い 森村から世界へ!
コミュニケーションスキルの育成というと、ビジネスに必要なものとして、大人になってから習得するものと思われがちですが、授業では中1の生徒でも無理なく習得できるカリキュラムを用意しています。たとえば、「問答ゲーム」では、好きか嫌いかといった簡単な質問に対し、主題文+展開文+まとめ文で構成される、世界に通用するパラグラフで意見を述べる練習をします。また、「再話」では、重要な点をメモしながら、情報の細部を正確に捉え、それを忠実に言語化する訓練をします(下記参照)。
「こうしたトレーニングを積み重ねることで、どんな相手に対しても、自分の意見を論理的に話す力や、相手の言いたいことを的確に理解する力を身に付けることができるのです」と話すのは、同校に「言語技術」のカリキュラムを取り入れた林宏之教頭。「このスキルを習得しているか否かで、子どもたちの将来は大きく変わってくる」と力説します。
「言語技術」の重要性は、今の時代に限ったものではありません。森村学園の創立者である森村市左衛門氏は、幕末・明治の激動の時代に、独力で日本初の民間日米貿易を始めた人物です。大正8年に作られた同校の校歌には「大和錦の織りばえを 外つ国までも しめさまし」とあるように、常に世界へと目を向けていました。森村学園では、このような古くから受け継がれてきた校風と、新しい取り組みの中で、真の国際人の育成に力を入れています。森村から世界へ羽ばたいてみませんか?
〈言語技術カリキュラム例〉
問答ゲーム
Q.あなたは花火をみることが好きですか?
世界に通用するパラグラフ構成(主題+展開文+まとめ文)で意見を述べる訓練をします。
空間配列の説明
Q.フランス共和国の国旗を言葉だけで相手が正確にイメージできるように説明ください。
伝えるべき大項目、小項目を整理し、さらに項目の説明順位を論理的に分析し、簡潔にして明快な説明文を組み立てる訓練をします。
再 話
Q.先生がある物語(600字~2000字程度)を二度読みます。読み終えたら手元のメモと記憶をたよりに、物語を忠実に再生してください。
集中力を高めて話を聞き、重要な点をメモしながら情報の細部までを正確にとらえ、それを忠実に言語化する訓練をします。
丸 本
年間3冊の小説を取り上げ、本格的なテクスト分析を学びます。「読書のアニマシオン」を導入に使い、その後は全編から客観的な根拠を取り出しながらキャラクター分析、テーマ分析等を行います。
森村学園中等部
[学校HP]http://www.morimura.ac.jp/
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