私学探検隊

きめ細やかに先生の目が行き届く 少人数制とティームティーチングの授業

野鳥のさえずりが響き、緑豊かな森の中にある日本女子大学附属中学校。恵まれた自然環境、天文台や実験設備などの充実した施設だけが、この学校の魅力ではないようです。

生徒の理解度を高める少人数制の授業

英語の授業は声に出して発音することを大切にしている

20年以上前から導入している少人数制授業も魅力の一つ。中村礼子教頭は「先生の目が行き届き、きめ細やかに生徒を見ることができます。生徒と先生の距離感が近いので、生徒が授業中にぼうっとするときがありませんね」と、少人数制の良さを語ります。クラスを2つに分けて、それぞれ授業を行う少人数制。ほとんどの科目で、週1回以上行います。
中学1年生の英語は、小学校で英語を習っていた生徒、初めて英語を勉強する生徒で授業の理解に差が出ます。それも少人数制にすることで、全員が授業を理解できているか、遅れている生徒がいないかチェックできるそうです。英語の中尾有子先生は「少人数制では、目の行き届き方が違うと実感します。多人数の授業とは、生徒たちの緊張感も違うようです」と話します。同じく、英語の菅家隆子先生も「少人数制になると、問題に答える回数が増えます。生徒もよく質問をしてくれますし、授業に集中できているようです」と、教えていて感じる魅力を語ってくれました。教室をのぞいてみると、次々と課題をこなすスピーディな授業に集中して、しっかりとついていこうとする生徒の姿が印象的でした。
中学3年生の数学では週1回が少人数制。基本と発展の2コースに分かれ、同じ教科書を使用しながらも、習熟度に合わせた授業を行います。数学の高橋幹輝先生は「コースは自分たちで選ばせます。基本コースはきめ細かく対応し、答えへの道筋を示しながら教えています。発展コースは、方法や答えをすぐには出さずに『どうやって解くか』考えさせることを意識しています」と教えてくれました。基本コースでは、生徒が問題を解けているか先生がくまなく見て回り、みんなの前で答える機会が全員にあります。授業においていかれる生徒がいない、わからないことは気軽に質問できる雰囲気がありました。一方、発展コースでは「平方根」について、山﨑昭子先生と生徒たちが激しく議論。「なんで?」「でもこうして解けるかも?」と、わからないことはわかるまで議論する、大学のゼミのような雰囲気です。生徒の「?」には、とことん応える。先生の熱意が伝わる場面でした。

丁寧に解説する数学基礎コース

解き方を議論する数学発展コース

ティームティーチングで生まれる刺激がある

美術は2人の先生が指導する

美術は中学2年生から週1時間に減るため、先生は2人体制のティームティーチングになります。これも魅力の一つ。美術の工藤 純先生は「時間が減っても、作品の質は落としたくない、深みを出したいと考えています。でも先生が2人いれば、生徒の『わからない』を待たせることなく、すぐに答えることができる」と語ります。
2人の先生がいることで生まれる刺激もあるそうです。「色や描き方など『私ならこうするな』と2人の先生が違う意見を言うと、それが『自分ならどうするか』と考える刺激になり、良い作品が生まれます」と工藤先生。さらに、こう続けます。「金工作品ではバーナーを使う作業があります。生徒だけでは難しく、危険を伴う作業でも、教員が2人いれば必ず1人は見ていることができ、安全に取り組むことができます」。
恵まれた自然環境と充実した施設で、少人数制とティームティーチングによる意識の高い授業を受けることができる。そんな魅力がここにはあります。

日本女子大学附属中学校
[学校HP]http://www.jwu.ac.jp/hsc/
〒214-8565 神奈川県川崎市多摩区西生田1-1-1
☎ 044-952-6731
最寄駅/小田急小田原線「読売ランド前駅」徒歩10分。京王相模原線「京王よみうりランド駅」「京王稲田堤駅」からバス10分「女子大前」。