鎌倉を通じて日本を知りその先の世界を知る

鎌倉女学院の創設は、明治37年。明治期に創設された女学校は、ミッションスクールや裁縫塾から出発したものが多い中、同校は「宗教色をおびず、普遍中立の立場で、堅実な女子を養成し、日進の新知識を授けたい」という創立者の理想のもとに開学しました。その抱負をもとに、1970年代には、実践的な英語教育と国際理解教育の習得を目的に、他校に先駆けて、アメリカの海外姉妹校と交流を行うなど、常に世界へ目を向けてきました。
しかし、異文化を理解し、それと共生するためには、まずは自分が暮らす地域や自国の理解が不可欠であることに気づかされました。そこで始めたのが、鎌倉を通して日本文化を学ぶ「鎌倉学」です。幸運にも同校は、古都鎌倉の中央に位置するという絶好の環境にあり、学校周辺の海や山、寺社などで、実体験をもとに日本の自然や文化を学ぶことができます。また、鎌倉は日本を代表する観光地でもあり、世界各国の人々が訪れます。こうした立地を生かし、街で外国人に、日本についてのインタビューやガイドをするなど、身近な場所で世界を感じることもできます。
中学の3年間で日本について学んだ後は、日本から世界へ。高校ではグローバルな視点を持って、地球環境を取り巻く諸問題や世界情勢について考えます。それが、同校の「国際・環境学」です。授業では、専門家の話を聞くだけではなく、自ら問題を考え、自分の意見を発信できる力を養っていきます。
また、同校では、中学生と高校1年生を対象に、日本文化や国際理解、自然科学など、さまざまな分野を専門とする方からより深く学べる「土曜講座」も開催しています。こうして、中学から高校までの6年間で、日本を知り、世界を知り、自分の関心を見つけ、その先の進路へとつなげていきます。

大仏のある高徳院で、外国人観光客にインタビューやガイドをする中学生。

カナダ英語研修では、英語の習得だけではなく、カナダの大自然を体感する。

主体的に学ぶ姿勢が求められる海外研修

海外姉妹校交流プログラムでは、隔年姉妹校のアメリカ人高校生を受け入れている。

「鎌倉学」や「国際・環境学」で、日本から世界へと目を向けた先にあるのが、実際の世界を体験できる「カナダ英語研修（高1の希望者30名対象）」です。この研修は、同校で長年英語講師を務めていた先生が、母国のカナダ・トロントの教育委員会の協力を得て企画した、鎌女生のためのオリジナルプログラムです。3週間のプログラムは、まずはトロントでのホームスティとESL授業、次にバークレークで自然に囲まれたアウトドア中心の活動、最後はセントローレンス川沿いの歴史を学ぶバス旅行という3つのパートから成り立っています。生徒たちは、この3つのパートを通して、英語とカナダの文化と歴史を学べるほか、世界でも女性の地位が確立されているカナダで、自分たちの将来像となる女性たちと出会うことができます。同研修の学びは、滞在期間の3週間のみならず、出発前から各自でテーマを決め、その下調べをし、現地での調査、体験の後、文化祭で発表するまで、約1年かけて取り組むプログラムです。単なる海外体験ではない、自らの意志で深い学びを体験することができます。
同校ではそのほかに、30年以上続いている海外姉妹校交流プログラムの派遣・受け入れと、イギリス・ニュージーランドでの1年間の留学制度もあります。

鎌倉女学院中学校
［学校HP］http://www.kamajo.ac.jp/
〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-10-4
☎ 0467-25-2100
最寄駅／JR湘南新宿ライン（横須賀線）・江ノ島電鉄線「鎌倉駅」徒歩7分。