理科教育にも久我山イズム!社会に通じる“人間力”を育む
小学生のみなさんは夏休みの自由研究でどんなことをしましたか。国学院大学久我山で理科を教える西村拓也先生は、「自由にテーマを選べる課題だからこそ、おもしろがって、オリジナリティを発揮できる」と言います。
理科の自由課題を通して得られる力は社会で役立つ
同校では、中学3年間を通じて夏季課題に取り組みます。1学期の中間試験後にプリントを配り、テーマの選び方や進め方をレクチャーします。「インターネットでなんでも調べられる時代だからこそ、身のまわりのことに目を向けて、疑問をもつことが大切。検索してもあまり出て来ないことだったら、おもしろいですよね。テーマを解き明かす方法も一つではありません。理科では再現性(誰が行っても同じ結果が得られるという意味)が重要なので、調べて、考えて、最適な方法を選んで、実験する。失敗したら他の方法を考える。成功しても、それで終わりにしないで、次の疑問を見つける努力をする。より深い実験につながれば、また考えて…ということを大切にしています。理科の自由課題における取り組みを通して得られる力は、大学や社会で役立つ力になると思うので、そういう意味でも主体的に取り組んで、疑問を感じる力や考える力を身につけてほしいと思っています」
理科教育を通じて問題対応能力を鍛えていく
レポート提出にとどまらず、発表も行っています。中1では一人ずつ教壇に立ち、A4サイズ1枚にまとめた資料を見せながら実験や調べ学習での成果を発表しました。鋭い質問が飛ぶのが同校の特徴です。「わからないことを放置しないという姿勢も大切なので、時間の許すかぎり、質問を促しています。また発表することで、テーマが実に様々であることがわかります。例えば“家族の中でなぜ私だけブサイクなのか”。そんな日常的な疑問から、祖父母を含む家族を調査して、遺伝について考察した生徒がいました。もちろん本人には『そんなことはないよ』と言いましたが、目の付けどころはおもしろいですよね。血液型などはよく知られていますが、性格や体の特徴など、多岐に渡り調べて考察していました」
3年間を通して、夏季課題を出すことの意義を、西村先生はこう話します。「中1の時に疑問に思ったことに、3年間継続して取り組み、前年の結果をもとに考察を深めている生徒がいます。これは立派な研究ですよね。テーマは同じでも、学年が上がるにつれ、目の付けどころが変わっていくのもおもしろく、今後もうまく生徒の興味を引き出して、理科教育を通じて問題対応能力を鍛えていきたいですね」
理科のフィールドワークも開始!打てば響く生徒が集まる久我山で、一緒に学びましょう!
中学では物理・地学、高校では地学を担当しています。地学は地層や天文など身近なテーマが多いので、授業ではiPadを使い、映像を見せて興味を引き出しています。また、夏休みにはフィールドワーク(高1・高2の希望者対象)を実施。今年は30~40名の生徒と富士山に行きました。久我山の生徒は、口うるさく言わなくても授業と休み時間の区別がしっかりできます。そういう風習が根づいている学校なので、ぜひ一度学校に足を運んで雰囲気を感じてください。
国学院大学久我山中学校
[学校HP]http://www.kugayama-h.ed.jp/
〒168-0082 杉並区久我山1-9-1
☎ 03-3334-1151
最寄駅/京王井の頭線「久我山駅」より徒歩10分。