私学探検隊

それぞれの課題を見つけたニュージーランド研修

ハプニング続出!? でも、自力で乗り越えました

横浜翠陵中学校では、この夏、中3の生徒全員でニュージーランド研修に行って来ました。行き先は、北部の都市オークランド。生徒たちはそこで2週間、ひとり一家庭のホームステイを体験しました。中3でひとり一家庭のホームステイは、少しハードルが高いように思いますが、「生徒たちの将来を考えた時、自分の力で乗り越えなければならない体験をさせたいと思いました」と話すのは、今回引率をされた田島久美子副校長です。
案の定、初日はハプニングの続出でした。滞在中、生徒たちは、ホストファミリーの家から現地の学校に通い、語学を学びます。学校までの交通は、各家庭の方針に任されており、ほとんどの生徒が自力で電車やバスに乗らなくてはなりませんでした。
初日、ひとりの生徒が、降りるバス停を間違えてしまい、学校に遅れてやって来ました。聞くと、ホストファミリーから渡された地図を頼りに、何人もの人に道を聞きながら、なんとか自力でたどり着いたと言います。友達に会えた時は、思わず大粒の涙を流したそうですが、自分ひとりの力でなんとかたどり着けたことで自信を持ち、「その後の行動が積極的になった」と田島副校長は話します。この生徒に限らず、はじめはホームシック気味だった生徒たちも、2、3日するとみるみる表情が明るくなり、異国での生活も軌道に乗り始めました。

ESL初日。バディと自己紹介をし合う生徒たち。まだ少し緊張しています。

男子生徒が通ったKelston Boys(現地の男子校)で、日本の文化を紹介。おりがみは大好評でした。


幅広い世代との出会いでコミュニケーション力もUP

「どんなにつらいことがあっても、みんなも頑張っているから頑張れる。全員参加することに意義があると思います」と田島副校長。

滞在中は、現地の学校に通う生徒がバディとして生徒一人ひとりに付き、一緒に学んだり、スポーツをしたりしながら、同世代との交流を楽しみました。また、課外プログラムとして、地元の小学校や福祉施設を訪問し、おりがみやけん玉など日本文化の紹介をしました。同じ英語でコミュニケーションをとるにしても、子どもが話す英語は聞き取りにくいし、耳の不自由なお年寄りにははっきりとした口調で話さなければ伝わりません。「幅広い世代と触れ合うことで、相手の立場を考えた英語コミュニケーションを生徒たちは無意識に学んだようです」(田島副校長)
一方で、悔しい思いもたくさん経験しました。例えば、自分が伝えたいことがうまく伝わらなかったり、日本文化について質問された時、きちんと答えられずもどかしい思いをしたり…。
「けれども、こうした体験が生徒たちを大きく成長させるのです。この悔しさや反省をこれからの人生で一つずつ解決して欲しいですね」(田島副校長)
ニュージーランド研修を終えて、生徒たちはそれぞれに、もっと英語が話せるようになろう、もっと日本のことを学ぼうなど、自分なりの課題を見つけてきたようです。

横浜翠陵中学・高等学校
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