私学探検隊

中学生から高校生まで、それぞれの形で関わる奉仕

1年生は福祉施設を訪問し、高齢者や障がい者と交流

2011年の夏休みに行われた初めての被災地ボランティア。がれき撤去作業を行うサッカー部の生徒たち

関東学院六浦中学校・高等学校では、キリスト教教育に基づいた「人になれ 奉仕せよ」の校訓のもと、6年間、授業や有志によるものなど、何らかの形でボランティア活動に携わります。
1年生の6月には、学年全員でいくつかの福祉施設を訪問。入所者と交流を持ち、自分たちと年齢や立場の違う人たちとの関わりを体験します。
「讃美歌を歌ったり、出し物をしたりなどの交流を行い、形だけではなく、自然に相手を助けることのできる人間を育てます」と語るのは、宗教主任の伊藤多香子先生。夏休みには希望者を募り、ボランティアキャンプも開催されます。
「今年のキャンプの参加者は中学生が中心でした。草むしりなど、環境整備のお手伝いをしました。また、原爆資料館も訪れ、平和な世の中を作るために自分はどう生きればよいのかを考えました」(伊藤先生)
また、夏休み中は、高校生の有志を対象に系列のこども園で、0~3歳までの子育て支援ボランティアも。赤ちゃんから幼児までの保育をお手伝いして、小さな子どもとの関わりを体験しました。

今年6月、福祉施設を訪問し、職員の説明に耳を傾ける1年生の生徒たち

夏休みに高校生の有志を対象に行われた、同じ系列のこども園でのボランティア活動

被災地で活動する“福幸”支援ボランティア

今年7月、岩手県陸前高田市の農場で雑草取りの作業をするボランティアの生徒たち

一方、同校では、2011年から長期休みごとに続いている活動として、「“福幸”支援ボランティア」も行っています。これは高校生の有志が東日本大震災の被災地に夜行バスで出かけて行うボランティア活動です。
サッカー部顧問の中田努先生は、震災が起きた11年3月に個人的に支援物資を持って被災地に出かけました。その後に岩手県遠野市のボランティア団体とつながりを持ち、サッカー部の生徒が合宿を兼ねてボランティアをできないかと考え、同年の夏休みに実現させます。サッカー部の生徒たちは行程の前半にがれき撤去などの作業を行い、後半にはサッカーの合宿をして、現地の学校と交流試合も行いました。それ以降は、サッカー部に限らず、高校生全体から有志を募り、毎年、春、夏、冬の長期休みごとに復興支援活動を行っています。これをある生徒のアイデアで“福幸”支援ボランティアと名づけたのです。
「1回につき、20名前後の生徒が参加してくれています。震災直後は、がれきの撤去作業などが中心でしたが、現在は被災地の状況も変化し、農園での農作業などの手伝いが主な仕事となってきています。生徒たちにはこの経験を生かし、震災は神奈川でも起こり得るということを認識し、普段から何か起こった場合の減災活動にも取り組んでほしいですね」(中田先生)
同校では、生徒が自治体に意見を提出するなど、ボランティア活動を自分たちの街づくりにも役立てています。

関東学院六浦中学校
[学校HP]http://www.kgm.ed.jp/
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☎ 045-781-2525
最寄駅/京急本線 逗子線・金沢シーサイドライン「金沢八景駅」徒歩15分または京急バス「関東学院正門」。