私学探検隊

湘南学園らしさ満点!保護者によるカフェがオープン

生徒に安心な食事を 保護者の思いが出発点

とても清潔な雰囲気のカフェテリア。生徒たちにとって、思い出深い場所になりそう

今年、創立80周年を迎える湘南学園。これを記念してさまざまな行事が行われていますが、なかでも大きなものがカフェテリアのオープンです。11月下旬から生徒が利用していますが、今回はオープン直前の慌ただしいなか、スタッフの方々にお話を伺いました。
湘南学園のカフェテリアの一番の特徴、それは業者に委託せず、NPO法人を作り保護者が中心となって運営する点です。「以前から保護者や教職員の間では、子どもたちに安全・安心なものを食べさせたいという思いがありました」と語るのは、NPO法人湘南食育ラボの副理事長である川井登喜子さん。これまでも学園祭などの行事があると、PTA保護者たちが「松が岡食堂」を開き食事を提供していたそうですが、学園でカフェテリアをつくると決めた際に「それなら私たちが安全・安心な食事を作ってはどうか」ということになったそうです。とはいっても、ほぼ前例のないことなので川井さんたちも四苦八苦。「NPO法人を立ち上げる際も、そもそもNPO法人って何?という状態でした」。とにかく、すべてが手探りでしたが、「子どもたちに健康でおいしい食事を食べさせたい」という志を強く持ってのスタートでした。

200名以上を収容できるカフェテリアは、卒業生の同窓会や成人式後の集まりにも利用される予定。また、各生徒の情報をもとに食物アレルギーの確認や栄養バランスの集計、専用カードを使って精算を行うシステムを導入するなど、最新設備も自慢。写真は左から鈴木由佳さん、北村佳子さん、有薗先生、川井さん。ちなみに川井さんのお子さんたちは既に学園を卒業。それでも法人に参加するところに、湘南学園への思いの深さが感じられる。

強化磁器製のオリジナルのお皿には、さりげなく校章が描かれている

今後は部活後の軽食も検討さらに広がる可能性

運営団体としての独自色はもちろん、献立作りも「らしさ」が満点です。「地元の食材を使う、地産地消をなるべく取り入れたいですね。本校が20年以上取り組んできた総合学習での学びも生かしたいです」と語るのは、カフェテリア設立を目指す取り組みの当初から携わっている有薗和子先生。現在はメニュー委員会が中心となっていろんな情報を集めつつ、メニューを研究中。また「本物に触れ、使いこなしてもらいたい」という思いから、お皿も強化磁器を採用。料理も一層おいしそうに見えるに違いありません。また保護者以外にも栄養士の資格を取得した卒業生が戻ってくるなど、力強いスタッフも加わりました。さらに「できれば受験を控えた高3生向けに、夕方の軽食も出したい」「放課後、部活を終えた腹ペコの子供たちにも、おにぎりや味噌汁を食べさせてやりたい」と、夢は広がります。
ゆえに、オープンを前に川井さんたちにはまだ不安もいっぱいあるようです。「味が薄いと言われないだろうか」「磁器のお皿を子どもたちが割って怪我をしないだろうか」など。けれども保護者目線で提供される料理には期待が集まっていますし、やりがいもあるでしょう。なにより、他校ではまず例のないカフェテリアの設立に、学校関係者全体で生徒を支援する、湘南学園らしさを強く感じました。

湘南学園中学校
[学校HP]http://www.shogak.ac.jp/highschool/
〒251-8505 神奈川県藤沢市鵠沼松が岡3-4-27
☎ 0466-23-6611
最寄駅/江ノ島電鉄線「鵠沼駅」・小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」徒歩8分。