私学探検隊

B方式『総合』問題。それは子どもの隠れた可能性。

教科の枠をこえた諸問題に興味関心を持つ

入試問題というと4科が中心です。ところが、子どもは小学校生活までにおいて実に多くのことに好奇心を持って学んでいます。聖ヨゼフ学園ではそんな教科の枠では計りきれない児童の力と可能性を見出せるような入試を2006年からB方式「総合」という科目でおこなっています。身近な生活体験からの学びを大切と考え、興味を持たせたい自然科学的現象や社会科学的事象などを題材に出題しています。今回はその試験問題とその問題に隠された学園の思いをご紹介します。

問題②の解答はいたって単純です。ヒマワリの花は日が昇る方向に向いているのだから、見えないのは、日が昇る方向の逆になります。よって東、南、北側からからは見え、西側からはみえないことに気づけば正解が得られます。「聖ヨゼフ学園らしい」とは、その先です。「学校に戻って、家に帰って、もしくは街中でもよいので花壇とその花を見てください。どのようになっていますか。植えられている場所、花の咲く時期、そして誰によろこんでもらえるか、ということまで考えられていますよね」ということです。ふだん何気なく過ごしているところにもちゃんと誰かによる思いがあるということ、そしてそんな思いを持った女性になってほしいという願いを込めています。

2014年度入試に向けて

このように聖ヨゼフ学園の持つ教育の基本精神に基づきながら、次のことを意識して問題作成を行っています。1つは複数教科の学習内容をふくむこと、もう1つは文章・図・表から読み取る力と考えを簡潔に文章に表現する力を引き出すことです。「総合」には、特別な準備は必要ありません。難しいことや知らないことに臆することなく、「難しいから楽しい、知らないからおもしろい」と、勉強する意欲が育つことを願っています。大人も子どもも気づかない隠れた可能性をこの総合問題でさがしてみませんか。2月1日の入試でお待ちしております。

問題①

問5 夏の花といえば、黄色いヒマワリを思い浮かべる人は多いでしょう。夏の強い日差しに照らされて、太陽のように咲くこのヒマワリについて、次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

ヒマワリは、長くて太い茎の先に大きな花を咲かせます。この大きな花は一輪に見えて、実際は何千もの小さな花が集まってできた花の集合体です。
ヒマワリは漢字で「日回り」と書いたり、「向日葵」という字をあてたりします。これは、太陽を追って回る花、あるいは、太陽に向く花という意味です。ヒマワリは、つぼみの段階までは、おそらく効率(こうりつ)よく光を受けるために、太陽の動きを追うようにして動くといわれています。この太陽を追う動きは、つぼみが成熟(せいじゅく)してくるとだんだん小さくなって、花が開くころには、どの花も日が昇る方角を向いたまま動かなくなります。

(2) 右の写真のヒマワリ畑で、花の向いている方角を答えなさい。

解説  実はそれほど難しくありません。知識として知らなくてもリード文の最後に「花が開くころには、どの花も日が昇る方角を向いたまま動かなくなります。」とあるので、そこまで読んでつなげることができれば「東」とわかります。わからない、知らない問題でも必ずなにかしらのヒントが隠されている、そして内容にも新しい発見がある、という問題です。

問題②

(3) 下図の学校の校庭にある花だんに、ヒマワリを植える計画をたてています。図の説明を読んで、この位置にヒマワリを植える理由としてふさわしくないものをア~エより選び、記号で答えなさい。

[図の説明]
・学校の東・西・南側(がわ)は、歩道に面している。
・校舎の裏にあたる北側には背の高い木が植えられている。
・校門は南側にあり、校庭をはさんで校舎が建っている。
・校庭の周りは、中が見えるフェンスで囲(かこ)まれている。

ア.東側の道を通る人にヒマワリの花をみてもらえるように。
イ.西側の道を通る人にヒマワリの花をみてもらえるように。
ウ.南側の道を通る人にヒマワリの花をみてもらえるように。
エ.校舎の中からヒマワリの花がみえるように。

聖ヨゼフ学園中学校
[学校HP]http://www.st-joseph.ac.jp/high/
〒230-0016 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾北台11-1
☎ 045-581-8808
最寄駅/JR京浜東北線 鶴見線「鶴見駅」徒歩15分。「鶴見駅」、JRなど「菊名駅」「新横浜駅」、東急東横線「綱島駅」からバス「二本木」徒歩3分。市営バス「東寺尾陸橋下」徒歩3分。