私学探検隊

“ものづくり”をテーマに、さまざまな活動をしている技術部では、作る楽しみを味わえるだけでなく、人として大きく成長することができます。

“ものづくりを楽しむ”を共通テーマに5つの班で活動

毎年9月に開催される、自作自動車による燃料競争の「エコラン」。昨年、関東学院からは4台が出場した。

関東学院中学校には、17の運動部と12の文化部があります。なかでもここ数年、部員数が増えている人気の部活が技術部です。技術部は、顧問の寺島徹先生が同校に就任した5年前に、ものづくりが好きな4人の生徒が、放課後、自主的に技術室に集まり、工作に励んでいたことから始まりました。その後、もっと大きなものを作ってみたいと夢が広がり、「自作自動車による燃料競争の『エコマイレッジチャレンジ(通称エコラン)』に挑戦しよう!」と同好会から2012年より部活動に発展しました。

技術部では、ものづくりの技術のみならず、チームワークやコミュニケーションの大切さなど、多くのことを学ぶことができる。

現在、技術部は、中学生・高校生を合わせて約40名の部員がいます(うち女子2名)。活動は、“ものづくりを楽しむ”を共通テーマに、エコラン入賞を目指す加工技術班、ロボットを製作する制御技術班、PCでゲームソフトなどを作る情報技術班、エネルギー効率を考えるエネルギー技術班、農作物を育てる栽培技術班の5つの班で構成されています。部員はひとつの班に限らず、複数の班に所属することができます。なかでも今、最も活動的なのが、毎年9月に開催される「エコラン」に向けてエコカーを製作中の加工技術班です。

 

ものづくりを通して人に感謝する気持ちを育む

昨年、上級生が製作したエコカーをベースに改良を進める中学2年生の部員。「車の名前は『Suicar』でスイカのデザインにしました」

加工技術班では、昨年、4台のエコカーを製作し、エコランに出場しました。1台の製作に7~8名で1つのチームを作り、エンジン、ハンドル、フレームなど各パーツに担当を設け、各自が責任を持って製作に取り組みました。「製作の過程では、いくつもの壁にぶつかりましたが、そんな時はチームみんなで考えたり、先輩にアドバイスをもらったりしながら自分たちの力で乗り越えていきました」と顧問の寺島先生。
中高生が作る車とはいえ、1台の車を製作するには、多額のコストがかかります。部員たちは、製作のみならず、これらの費用を捻出するためにOB・OG、地元の町工場やバイク店などに足を運び、スポンサーになってもらえるようにお願いをしたと言います。
「こうして、部員たちは、ものづくりには、試行錯誤や粘り強さ、チームワークが大切なこと、お金が必要であることなど身をもって体験し、製作する楽しさだけでなく、人に感謝をする気持ちも持つようになり、人として大きく成長した」と寺島先生は話します。
そして今は、自分たちの製作だけでなく、文化祭のステージを作ったり、学校の備品が壊れたときは修理の対応をするなど、人のためにものづくりで貢献するようにもなりました。
この春に卒業した先輩たちは、東京工業大学をはじめ理系の大学に進学し、今もなおものづくりに励んでいるそうです。

関東学院中学校
[学校HP]http://www.kantogakuin.ed.jp
〒232‐0002 神奈川県横浜市南区三春台4
☎ 045‐231‐1001
最寄駅/京急本線「黄金町駅」徒歩5分。市営地下鉄BL「阪東橋駅」徒歩8分。