私学探検隊

「撮影する」「演じる」「編集する」といった映像制作の醍醐味が楽しめる映像クラブ。映像作品は毎年、「映画甲子園」にも出品しています。

みんなでぶつかり合いながらひとつの作品を作り上げる

演技を担当する生徒たち。納得のいく作品に仕上げるために、お互いに意見を出し、とことん話し合う

恵泉女学園中学・高等学校の映像クラブは創部から約8年。ショートムービーを中心とした映像作品を制作する活動を行っています。今回は、創部当初から顧問を務める前田憶良先生と部長のR.K.さん(高2)にお話を伺いました。
「創部のきっかけは、8年前に中3の選択授業で『映像を楽しむ』という授業を担当したこと。それを選択していた生徒から映像制作をするクラブを作りたいという要望がありました」(前田先生)
現在は週2~3回、1日1時間から3時間の活動をしています。
「映像制作には、脚本を書き、それを演じ、撮影し、編集を行うというさまざまな仕事がありますが、中高それぞれの部員がひとつの役割にこだわらずに、ひとり何役もこなしています。みんなで意見を出し合いながら作業していくので、時々、意見が対立することもありますが、ぶつかり合いながらひとつの作品を作っていくことにやりがいを感じますね」(R.K.さん)

あきらめないでとことん取り組む姿勢は学習にも通じる

「枠を作らずに自由に活動させることで、よい作品が生まれます」と語る、顧問の前田憶良先生

ご自身も高校・大学時代に映画研究部に所属されていたという前田先生は、自分で考えて行動できる人に育ってもらうためにも、生徒の自主性に任せる活動内容にしたいといいます。
「時には撮影した映像に納得がいかず、繰り返し撮り直すこともあります。ベストを目指して、とことん取り組んだ経験は、学習面にも生かされるのではないかと思っています。編集に取りかかると多くの生徒が『納得するまでもっとやりたい』と言います。この姿勢は勉強にもいずれ結びつくのではないでしょうか。また、映像制作はひとりではできません。部員みんなで協力し合うのはもちろん、時には家族の人に協力してもらったり、書店やスーパーなどに許可をいただき、そこで撮影させてもらうこともあります。このように、学校内で完結せずに、外部の人とも関わることにより、責任感や緊張感を持って取り組むこともできているのではないかと思います」(前田先生)

「映画甲子園」に出品した作品を文化祭でも上映

撮影の様子。カメラとマイクを構える部長のR.K.さん(いちばん右)

映像クラブで制作した高校生の作品は、毎年、「映画甲子園」に出品しています。これは全国の高校生が制作した映像のコンテストで、昨年は環境をテーマにした部門で特選も受賞しました。出品した作品は、恵泉デー(文化祭)でも上映しています。
「クラブで学んだことを活かし、将来は映像制作関係の仕事に就きたいと考えています」という部員もいます。実際に、OGの中には、大学で映画製作やメディア論など、映像に関係のある分野を学んでいる人も少なくないのだとか。クラブとしても、今後、ますますの発展が期待できそうです。

恵泉女学園中学・高等学校 
[学校HP]http://www.keisen.jp/
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