私学探検隊

グローバルな時代だからこそ、古くから継承されてきた「茶道」を通して、「心」と「所作」を磨く価値は大きい!

お点前の稽古では集中して、作法の習得に励みます。高校生は國學院大学茶道研究会とのお茶会でも、腕前を披露しています。

部活動が盛んな久我山。放課後になると、中学28、高校44ものクラブが一斉に活動を始めて活気があります。全国レベルの実力をもつラグビー・野球・陸上・サッカー・ バスケットボール・剣道は有名ですが、吹奏楽や、女子の音楽(合唱)・ダンスなどもコンクールで上位を狙える力をつけています。
また、久我山では、茶道・華道・箏曲の三部をふくめ、活動可能な範囲で兼部が認められており、日本の伝統文化を育む環境が整っています。茶道部が活動する女子錬成館をのぞくと、中高合わせて50名あまり(中2~高3)の部員に加え、入部を希望する中1、高1がたくさん集まっていました。
「特別講座(中2は華道、中3は茶道、高1は能、高2は日本舞踊)で茶道を体験し、興味をもって、高1で入部する生徒が毎年います。週1回の活動ですが、特別講座もお願いしている外部講師の内山宗葉先生、柳楽宗茂先生に茶道のお稽古はもちろん、挨拶やしつけのご指導もいただくため、高2になると、お茶を点てる姿が様になります。合わせて後輩の指導や、周囲への気配りも自然とできるようになり、大きな声をかけなくても、人手が足りていないところに自ら気づいてすっと入るような、気持ちのよい行動を取れるようになります」(顧問/志賀園子先生)
腕前を披露するのは、秋の文化祭です。「外部のお客様に対して、失礼のないように振る舞い、お茶でもてなす機会は貴重で、体験する度に成長を感じます。卒業時にはお茶の心である『和敬清寂』も身につき、裏千家初級の免状をいただくことができます」

私の久我山ライフ
「文武両道」も「個性尊重」も「全力投球」も、当たり前の学校だから生活が充実!自立できた!

中1からSTクラスに在籍し、文武両道を地で行くI.Yさん(高2)と、茶道部顧問の志賀園子先生(英語科)

お稽古では持ち前の集中力を発揮し、急成長を遂げるI.Yさん。

左は内山宗葉先生。同級生が点てるお茶を待つI.Yさん。

中学時代は硬式テニス部(週2日)でしたが、高校では以前から興味をもっていた茶道部に加え、友達に誘われてソフトテニス部(週3日)にも所属しているI.Yさん。「疲れて帰るくらいがちょうどいい。『勉強しなければ!』という気持ちが湧いて身が入るから」と話します。家庭学習の中心は宿題と予習。「予習をすると、授業が復習になるので効率がいいんです」
こんなふうに、I.Yさんが時間を有意義に使いたいと思うようになったのは、まわりの影響でした。「久我山の生徒は切り換えが上手で、今やるべきことに集中します。友達も、強豪クラブの一員なのに、STクラスで成績もトップクラス。そういうお手本が身近にいるので、いかに集中して効率よく取り組むかを考えるようになりました。そうすると、吸収力が高まります。茶道部の活動も、高校から始めたので下級生には負けないという気持ちで臨み、週1回の活動でも所作が身についているという実感があります」
将来は研究者になって、世のため人のためになるものを研究したい。海外を舞台に活躍したいという夢をもっているI.Yさん。
「中学生の頃から、社会人の方から話を聞いたり、職場体験をしたりして、働くということことがどういうことかを自分なりに考える機会がたくさんありました。私は研究者になって、日本の誇れる技術や文化を海外に伝えたい。海外のよいものも受け入れて、新たな価値を生み出し、人々が幸せになれる社会に発展させたい。そんな自分の姿を思い描いて、今やるべきことに全力で取り組んでいます」

国学院大学久我山中学校
[学校HP]http://www.kugayama-h.ed.jp/
〒168‐0082 杉並区久我山1‐9‐1
☎ 03‐3334‐1151
最寄駅/京王井の頭線「久我山駅」より徒歩10分。