私学探検隊

将来のキャリアに即つながるグローバル人材育成

英語で的確に自分の考えを発信できる人を育てる

外国語科主任の山田英雄先生

かえつ有明中学校では、国際社会に積極的に貢献できる人材を育てるためのさまざまな取り組みが行われています。外国語科主任の山田英雄先生に同校のグローバル人材育成プログラムについて、お話を伺いました。
山田先生は、日本語的発想で英語を話しても、英語圏の人に理解してもらうことは難しく、英語的発想のできるチャンネルを持つことが大切だと話します。「中学に入学したら、そのために必要なことを1から学びます。単語や文法など、英語を基礎から徹底して学ぶのはもちろん、クリティカル・シンキング(批判的思考)を遊び感覚で徐々に取り入れていきます」(山田先生)
クリティカル・シンキングでは、まず、自分の考えを初めにきちんと伝え、次に「なぜなら~」と根拠を述べて相手を説得します。ところが、日本では、結論に至るまでの経緯を先に話すことが多く、結局何が言いたいのか、文化の違う人たちには理解できないケースもあります。そこで、同校の英語の授業ではクリティカル・シンキングのスキルを活用して英文を読み、最終的に英文で自分の考えが表明できるように訓練します。

海外研修や帰国生の積極的受け入れで本物に触れる

可動式の机と椅子がある新しいタイプの教室「KALK(カルク)」は、生徒の主体的な学びを促す

同校では、英語力を身につけ、異文化交流が盛んにできるよう、海外研修や留学生の派遣と受け入れ、そして帰国生の積極的な受け入れを行っています。「中学で基礎力を養った後、高1で希望者を対象とした2週間のケンブリッジ英語研修を行い、高2では全員がイギリス・フランス修 学旅行に行きます。希望者対象留学プログラムも、4か月の中期留学と、1年間の長期留学が用意されています。また、帰国生が全体の約1割以上いることも本 校の特徴。帰国生がリーダー性を発揮し、生徒会などで活躍している姿も見られ、一般生にもプラスの影響につながっています」(山田先生)
同校では、帰国生に対して、放課後に日本語での授業の補習を実施したり、それぞれの個人カルテを作成し、時には英語で悩みを聞いてあげるなど、きめ細かいフォローも行っています。

論理的思考パターンを養う「サイエンス」の授業

サイエンスの授業(男子)。情報収集・分析・統合などの作業を通じて、論理的思考を養う

同校では、中学生の総合学習の時間を「サイエンス」と呼び、英語に限らず、全教科を通じて、クリティカル・シンキングで物事を考えることができるようになるための学習を行います。「中1では情報の抜き出し、中2で分析・分類を中心に行い、中3ではプレゼンテーションを実施し、論文を書きます。このようなトレーニングが大学受験に役立ったと話す卒業生もいます」と山田先生は話します。
こうした取り組みの成果は、国際関係学部の大学合格実績が伸びていることにも表れています。また、文系・理系の枠を超え、卒業生が社会に出た後で役立つスキルとなっているようです。

かえつ有明中学校
[学校HP]http://www.ariake.kaetsu.ac.jp/
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