私学探検隊

育ちざかりの中高生の健やかな学園生活の基盤 食育と安心安全な食事を提供するカフェテリア

カフェテリアを支えるスタッフのみなさん。生徒たちが喜んでたくさん食べる姿を見るのをやりがいにおいしい食事を提供しています

高い天井と清潔な広い空間。授業終了のチャイムが鳴ると、多くの生徒たちがこのカフェテリアにやってきます。チャージ式の「ラボカード」で食べたいメニューを購入し、好きな場所で友だちと一緒に思い思いに昼食を楽しむ生徒たちの姿があります。
湘南学園のカフェテリアは在校生・卒業生の保護者で組織するNPO法人「湘南食育ラボ」が運営。有機や無添加など調味料にもこだわり、地産池消を目指して地元農家などから食材を調達、冷凍食品やレトルトなどは使用せず、すべて一から手作りしているのが特徴です。生徒たちに「食材そのもののおいしさや、地元食材の素晴らしさを知ってほしい」という学園の考えと、「食べることの楽しさを感じ、栄養のバランスを考えた温かい食事を食べてほしい」というスタッフの思いが見事に融合した場所。遠方から通う生徒や部活動で早朝に家を出る生徒、仕事などでお弁当作りが大変な家庭が安心して、いえ、むしろ積極的にカフェテリアを利用している状況がすべてを物語っているといえます。
「最大のライバルはお母さん。お母さんが作る家庭料理が目標。お家のお弁当が一番だけど、ここのご飯はおいしい、また食べたいと思ってもらえたら」という湘南食育ラボの川井登喜子さんの言葉が形になったメニューは、栄養士を含むメニュー委員会で決定。日替わりランチ(500円)は2種類あり、絶対的人気の唐揚げや生姜焼き、ハンバーグや、ロコモコやタコライス、タンドリーチキンのようなカフェメニューまでバラエティに富んでいます。
もう一つの特徴は、この空間そのもの。アットホームで居心地がよく、生徒たちがホッとできる場所を目指しています。たとえ一人で来ても安心して食事ができる場、持参したお弁当を食べる場としてなど、生徒たちがいつでも気軽に立ち寄り、のんびり過ごせる空間になっています。
また、交流の場としての役割も持っています。中学生から高校生まで学年、クラスに関係なく多くの生徒が集まり、その中で新たな交流が生まれます。先生方も利用するので授業とは違ったコミュニケーションの場となっています。厨房のあるカウンターも見渡せるようになっていて、スタッフの自己紹介ボードを置き、調理をするスタッフとも気軽に言葉を交わします。挨拶や声掛け、他愛もない話など、ほかにはないコミュニケーションに溢れています。
地産池消、手作りにこだわった安心安全な食事を、アットホームな空間で、多くの人と触れ合いながら食べる。カフェテリアは当たり前のようで難しい食育の発信地なのです。

その日使っている食材の産地を掲示。生徒たちも地元産の食材には親しみがわきます

この日のメニューは豆腐のドライカレー。サラダには藤沢産のレタスやキュウリが。

3種のパンは米粉が原料

温かくておいしい食事に生徒は自然と笑顔に。残飯が少ないのもカフェテリアの自慢です。食事中のスタッフとの会話も生徒たちの楽しみに

入口横にはテラス席があり、男子生徒に人気。天気のいい日に外で食べるご飯は格別なのだとか

湘南学園中学校
[学校HP]http://www.shogak.ac.jp/highschool/
〒251-8505 神奈川県藤沢市鵠沼松が岡3-4-27
☎ 0466-23-6611
最寄駅/江ノ島電鉄線「鵠沼駅」・小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」徒歩8分。