私学探検隊

勝ち負けだけではない 一人ひとりが主役になれる体育祭

クラス一団となって取り組む仮装大会

北鎌倉女子学園ではこれまで、体育祭と文化祭を隔年で交互に行っていました。しかし、生徒たちの行事に関するアンケートによると、これらの行事が「社会人基礎力」の育成に大きく役立っていることがわかったとのこと。そこで、今年度から体育祭と文化祭の両方を開催することになりました。今年度は、6月に体育祭、10月に文化祭が開催されます。
今回は、6月に開催される体育祭を前に、競技中心の体育祭の中で、華を添える仮装行列の準備に励む、高3の菊組(理系クラス・12名)を訪ねてみました。

菊組の仮装テーマは『西遊記撮影中』。孫悟空役は担任の広井先生、猪八戒役は国語科の小林先生。

衣装から小道具まで、すべてが手作り。


一人ひとりが輝ける みんなが主役の体育祭

高3生徒だけが踊れる、北鎌倉女子学園伝統の体育祭の目玉「カドリール」。

教室に入ると、中間テストを終えたばかりの生徒たちが、解放感に浸りながら仮装の準備をしていました。仮装行列は、これまで高2と高3だけが参加できる上級生の特権でしたが、下級生からの要望があり、今年度から高1も参加できるようになりました。だからでしょうか、上級生のプライドもあって、より良いものを目指したいとクラスが一団となって取り組んでいるように感じました。
仮装はクラスごとにテーマが設けられ、今回の菊組のテーマは『西遊記撮影中』。はじめは担任の広井先生のイメージが孫悟空と重なったため、『西遊記』をテーマにするつもりでしたが、「それを映画の撮影風景に仕立てたらおもしろそう!」とアイデアが広がっていき、キャストは西遊記のメンバーのみならず、監督、カメラマン、メイク、スタイリスト、映画ヒット祈願シャーマン、ポップコーンガールズなど多種多彩になり、クラスメイト全員が一人一役を演じることになりました。
また、衣装は4人の衣装係が、採寸から縫製まですべてを担当しています。放課後の時間だけでは足りず、家のミシンでも作っているそうです。小道具は残りの8人が、ダンボールや折り紙などを使って製作中です。「仮装行列は、得点種目ではないので、体育祭の勝ち負けを決めるものではありません。それにもかかわらず、一生懸命になれるのは、クラスの団結を実感できるからではないでしょうか。また一人ひとりが自分の得意なことをアピールできる機会でもあり、みんなが主役になれるというのが、一番の魅力だと思います」(菊組担任・広井先生)
体育祭では、もうひとつ特別な演目があります。それは、同校で代々続いている、高3の生徒だけが踊れる「カドリール」というダンスです。もとは、フランスで誕生した宮廷での社交ダンスですが、明治時代には鹿鳴館でも踊られていたとか。4人一組のうちの一人に先生が入ります。菊組には理事長先生も入られるとのことで、クラス全員で自主的に朝練を行っているそうです。最後にその成果を教室で披露して下さいました。

北鎌倉女子学園中学校
[学校HP]http://www.kitakama.ac.jp/
〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内913
☎ 0467-22-6900
最寄駅/JR湘南新宿ライン(横須賀線)「北鎌倉駅」徒歩7分。