MOOC(ムーク)で世界の大学の授業を、英語で学ぶ
オンライン講座を活用し世界の授業を履修
ITを教育現場に取り入れる動きが、さまざまな学校で見られるようになっています。そのメリットの一つが、教室にいながら世界中のあらゆる「知」に触れられる点。市川中学校では、こうした特長を生かした無料オンライン講座を活用しています。それは、MOOC(ムーク)(Massive Open Online Courses)と呼ばれる、大学等の教育機関が講義を無料で配信するサービス。「アメリカのハーバード大学など、世界の名だたる大学が授業を配信しています。中学生でも理解できるテーマもあり、英語字幕がつくので英語の勉強にも最適です」と語るのは、校長の宮﨑章先生です。当初は帰国生を中心に実施しましたが、徐々に多くの学生が受講するように。今年は夏期講習でもMOOCを体験する講座を開講しています。
このMOOC導入で重要なのが、生徒の力量に合わせたコンテンツを選ぶ先生の選択眼。市川中学校ではそこに注力し、世界中の講座の中から適切なものを選んでいるからこそ、定着しているのだと感じました。今後は生徒がMOOCで自宅学習をした上で学校の授業に臨む反転授業も検討したいそうです。「これからの時代は、学校を卒業しても学び続けることが重要です。市川中学校ではそうした自ら学ぶ姿勢を家庭教育、学校教育と並ぶ第三教育として重視していますが、MOOCはその姿勢を身につけるために最適だと思っています」と、宮﨑先生は語りました。
体験voice(1) MOOC/井上茉莉花さん
私はこの夏、MOOCに挑戦して英語のスキルアップを図ろうと思います。これから先、私たちは国際社会の中で生きていかなければならなくなると思います。そのために、「英語で学ぶ」ということが大切なのではないかと思っています。また、自宅でできるということも魅力の一つです。忙しい毎日の中でも、自宅であれば時間のロスも少なく効率的に取り組むことができると思います。自分のペースで頑張りたいと思います。
海外研修をより有意義にする事前学習を実施
語学教育という点で市川中学校が力を入れているのが国際交流、そしてそのための事前学習です。中学3年生はシンガポールへの修学旅行に向けて、半年にわたってシンガポールの歴史を現地の教科書を用いて学んできました。
また、希望者を募り、イギリスのケンブリッジ大学およびオックスフォード大学への夏期海外研修も実施しています。各30名の定員に100名近くが応募する人気の研修ですが、ここでもイギリス史を現地の教科書で学ぶ事前学習を実施しました。実際に現地を訪れる際も、より深い理解を得られるに違いありません。
単に英語を学ぶのではなく、英語を使ってさまざまな専門分野に触れる。それは語学の上達だけにとどまらず、生徒の興味をより深めることにつながるはず。市川中学校のこうした取り組みは、生徒の学ぶ意欲を大いに高めているのではないでしょうか。
体験voice(2) 海外研修/榎本 朋くん
僕はこの夏にケンブリッジでの海外研修に参加するので、イギリスの歴史を学ぶ講座を受講しました。この講座は、イギリスの教科書を使って班ごとに発表するという生徒が主体の形式をとっていて、イギリス史について学ぶことができたのはもちろん、それ以上に自分たちでテーマを決めて調べたり、日本の教科書と比較してそれぞれの魅力を発見するなどして、いろいろなことを学ぶことができました。ケンブリッジに行ったら、イギリスの文化や歴史を肌で感じ、コミュニケーションも積極的に取り、たくさんのことを吸収したいと思っています。
市川中学校
[学校HP]http://www.ichigaku.ac.jp/
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☎ 047–339–2681
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