私学探検隊

生徒自身が選んだテーマを主体的に学ぶ 学びプロジェクト、探究DAYの取り組み

ESDの取り組みを
さらにブラッシュアップ

 横浜女学院中学校では、ESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでいます。中でも探究的学びに力を入れており、多角的な活動を行っています。今回は教務部長・進路指導部長の鈴木俊典先生にお話を伺いました。「ESDの取り組みをさらにブラッシュアップすべく、教員の探究委員会を立ち上げました」と鈴木先生。「生徒たちは難民の方の講演を聴いて共生について考えたり、ニュージーランド研修で生物多様性について学んだり…、とさまざまな体験をしています。その集大成として、高2で生徒が自分で設定したテーマに沿って仮説を立てて検証方法を設定し、論文を執筆します。その過程では担当の教員が寄り添い、生徒が考えた検証方法などについてアドバイスしていきます」(鈴木先生)

ニュージーランド研修も再開

コロナ禍でスタートした
学びプロジェクトが形に

 同校では放課後に「学びプロジェクト」という探究的活動も行っています。「きっかけはコロナ禍の休校期間に部活動も休止になり、オンラインでできる活動を始めたことです。他校と合同で哲学対話(参加者が問いを出し合い、一緒に考えを深めていく手法)を実施したこともあります」と鈴木先生。現在は対面で活動できるようになり、休日に希望者を募り、「学びプロジェクト遠足」も実施。裁判傍聴や科学博物館へ見学などに行き、授業とは違った学びを得ることができました。「生徒主導で立ち上げた『Learning by Teaching』という放課後活動も学びプロジェクトのひとつです。生徒が教える立場になり、ファシリテーターの生徒が文化の多様性など、テーマに沿って英語で話しています。教員は基本的に見守るだけという方針で、有意義な時間となっています。中2から高2までが参加しているので、異学年交流にもなっているようです」(鈴木先生)

放課後の「Learning by Teaching」では生徒が先生役になって授業を行う

楽しみながら学びを深める
探究DAY

 昨年度からは長期休みの3日間、中1・中2の生徒を対象に実施する「探究DAY」もスタート。先生たちが興味・関心のあるテーマを設定して複数の講座を用意し、生徒がその中から選んで参加するというものです。テーマは多岐に渡り、「キティちゃんはなぜかわいいのか」「モノポリー(ボードゲーム)で平等になるためにはどうしたらいいのか」などさまざま。例えば、キティちゃんのテーマであれば、他のキャラクターと比較・検証したり、モノポリーではお金持ちとそうでない人が出ないためのルールを考えたりしました。「どんな意見を言ってもいいという安心感のある場を作ることを心がけています。みんながリーダーになる必要はなく、グループの中で自分の得意分野を生かして役割を持ち、中学生のうちから意見を言語化して深める力を培うことが狙いです」と鈴木先生は話します。夏休みには地域の困り事を知り、自分にできることを考える目的で、ごみ拾いや保育園などでのボランティア活動も実施しています。コロナ禍で中止となっていたニュージーランド研修も再開し、生徒たちがより広い視野で物事を探究するきっかけとなりそうです。

「探究DAY」でモノポリーに取り組む生徒たち


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

横浜女学院中学校
[学校HP]https://www.yjg.y-gakuin.ed.jp/
〒231-8661 神奈川県横浜市中区山手町203 Tel.045-641-3284
最寄駅/JR根岸線「石川町駅」徒歩7分。市営地下鉄BL「伊勢佐木長者町駅」徒歩18分。

この学校の詳細情報を見る