社会と接点を持ちながら、いかに生きるかを考える「働くということ」
体系化されたプログラムで、
中2から職業観を育てる
男女別学というスタイルで、それぞれの特性に合わせた教育に力を入れる同校で、今年度も、女子部の職業観育成プログラム、シリーズ「働くということ」(中2~高2)がスタートしました。
このプログラムは、生徒たちが社会と直接つながる場を得ながら、自分と向き合い、時間をかけて職業観を育むことを目的としています。初回の授業は中学2年生を一堂に集めて、このプログラムの生みの親である髙橋秀明先生(副校長)がユーモアを交えながら、プログラムの概要やメッセージを伝えました。
45分という短い時間でしたが、森英恵さんの「自分の人生は自分でデザインするもの」、永六輔さんの「職業に貴賎はない。あるのは、人間の生き方」など、いくつもの金言が散りばめられており、生徒は配布された資料にメモしながら熱心に耳を傾けていました。「森英恵さんの言葉は、中1の女子特別講座『ことばについて』でも取り上げています。『働くということ』があの学びとつながっていることを意識してほしいという意図がありました」
「働くということ」は、
自分の生き方を見つめること。
自分で人生をデザインすること
「働くということ」は2005年に始まりました。
「当時はまだ、親世代に専業主婦も多く、『自分の生き方を考えることが大切だよ』と話しても、大学を出て少し働いたら結婚して専業主婦になるのだから、と斜に構える生徒もいて、学習機会を設ける必要性を強く感じたことがきっかけでした」
國學院の気風ともいうべき「気概」をもって挑戦する姿勢は、同校のスローガンである「きちんと青春」に表現されていますが、髙橋先生は「これからは女子にもタフな生き方が求められる時代になる」と信じて、経済同友会に連携を仰ぎ、シリーズ「働くということ」を発展させてきました。
「日本のトップリーダーによる講話(年2回)に始まり、2年後にシリーズ化。その後も生徒自身がより深く考える場として、少人数でグループディスカッションする『フォーラム』を導入すると、講師として参加してくださるトップリーダーの方々と生徒によるディスカッションが熱を帯びておもしろいのです。18年目を迎え、自分らしい生き方を実践している卒業生が増えているので、生徒がより身近に感じるロールモデルとして、関わってもらえる場を作りたいと考えています」
男女協働社会の実現に向けて
男子も意識を変える必要がある
時代は大きく変わり、男女協働が求められている今、「男子の意識が変わらなければ社会は変わらない」と髙橋先生。
「男子は高2あたりから主体的に自分の進路を考え始めるので、これまでは生徒に委ねる部分が大きかったのですが、女子とは別の形で生き方と向き合う機会を作る必要があると感じています」
それこそ男女別学のメリットを生かした、男子にとっての自分らしい生き方講座が始まる日も近いかもしれません。10月の文化祭で中2女子は「実地調査研究」の発表を行います。ぜひ同校に足を運んでいただき、いずれその場で、協働社会をテーマに男女がディスカッションを繰り広げるような息吹を感じ取ってください。
國學院は「こころ」と「ことば」を大切にする学校です。一人ひとりの「こころ」と「ことば」があたたかく豊かであれば、自ずと校風や文化も豊かになります。そうした考えをベースに、シリーズ「働くということ」では、バックグラウンドが異なる方々にご協力いただき、さまざまな価値観に触れる機会を設けています。学年の担当教諭が、その学年のカラーに合う方を選ぶことにより、生徒は興味関心を持ちやすくなります。そういう小さな心配りの積み重ねにより、自分の人生をデザインする、という考え方はもとより、思いどおりにならない時の対処の仕方までも学べるプログラムに深化しています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
国学院大学久我山中学校
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