芸術に親しみ、仲間とともに表現することで、豊かな感情を育む
吹いて奏でて、
全員で音を楽しむ
芸術教育に定評のある聖セシリア。校内を歩くとあらゆる場所に、生徒たちが授業やクラブ活動で制作したレベルの高い作品が並びます。また音楽の聖人セシリアの名にふさわしく、吹奏楽、ハンドベルクワイア、ギター・マンドリンと音楽系のクラブ活動も活発で、放課後には生徒たちが練習する美しい音色が響き渡ります。今回は吹奏楽部、美術部の活動と、中学2年生の美術の授業風景、セシリアバレエの活動をご紹介します。
吹奏楽部はコンクールのほか、3月末に行われるスプリングコンサートなど様々な発表に向けて練習しています。この日は各パートに分かれて練習したあと、高校生が演奏の指揮をしながら全体指導を行い、生徒主体で活動が進められていました。
「中学1年で入部して6年目。私の中学時代を指導してくださった先輩から『すごく上達した』と褒めていただくこともあり、成長を実感しています」と語るのは、高校3年生の部長の田治来春さんです。吹奏楽は、楽器未経験者でも、毎日練習することで確実に上達できる点がやりがいにつながるといいます。
また「先輩後輩の仲がよく、練習のなかで学年の枠を超えて交流できるのも活動の魅力のひとつ」と教えてくれました。中学生は高校生から日常的に指導を受けることができ、高校生は下級生に教えることでお互いに成長しています。
「『吹いて奏でて楽しむ』と書いて吹奏楽。みんなで演奏を合わせるときの感動はほかでは味わえません!」(田治さん)
部員一人ひとりが切磋琢磨しながら、最高の音楽を目指しています。
それぞれのレベルの生徒が
自分なりの表現を模索
高校1年まで必修で芸術教育がある同校。中学3年間で音楽と美術の基礎を学び、高校1年では音楽、美術、工芸、書道から興味に合わせてひとつを選択します。この日の中学2年生の美術の授業では、運動靴を点描画で表現するという課題に取り組んでいました。思ったような表現にならないと悩む生徒に対して、先生は「手前と奥だったらどちらの輪郭がくっきり見える?」など質問を投げかけながら制作の手助けをしていました。美術科担当の宮本穂曇先生にお話をうかがいました。
「美術が得意で何も言わなくても手を動かしていける生徒もいれば、苦手だと感じている生徒もいます。手が止まっている生徒に対しては、手でフレームをつくって『靴のサイズはどれくらい?』など会話をしながら、取りかかれるように促しています」(宮本先生)
筆をどう動かしたらいいのかわからない生徒に対してもすぐにアドバイスをするのではなく、「試しにやってごらん」「自分の予想を信じて進めていいよ」など自分で試行錯誤しながら制作できるように促しているといいます。
美術部では、油絵など必修の授業で扱わない技法も用いながら多くの作品をつくります。「中盤に差し掛かって完成が見え始めたときに、これまでを振り返って進歩を感じられると楽しいです」と創作の魅力を教えてくれたのは、高校3年生の部長の阪部里奈さん。部員同士お話ししながら、自分のペースで落ち着いて作業を進めることができる点も魅力だと語ります。
また、阪部さんは、部長として部員の前で発言をすることで、人前で意見を主張できるようになったといいます。仲間と活動をするなかで、自然とリーダーシップやコミュニケーション能力が身についているようです。
校内のバレエスタジオだから、
仲間と踊れる楽しさがある
校内にバレエスタジオが設置され、人気バレエ団の現役ダンサーから直接指導を受けられるセシリアバレエ。レッスンは希望制で、聖セシリアに在籍している生徒であれば初心者でもOK。放課後にはさまざまなレベルの生徒が受講しています。
セシリアバレエのレッスンを受けている生徒にお話を伺いました。
「曜日によって先生が変わるので、いろいろな先生から指導を受けられるのが魅力」と語るのは、高校2年生の井上いろはさん。レッスンは週1から週4まで参加が可能で、指導を受けたい先生の曜日を選ぶことができます。井上さんは地元のバレエ教室に加え、セシリアバレエも受講しているといいます。
また、レッスンの開始時間は部活動が終わる17時半以降のため、ほかの部活動のあとにレッスンを受けることができる点も魅力だと語ります。実際に、セシリアバレエのレッスンを受ける多くの生徒がほかの部活動と兼部しており、井上さんも生徒会活動を行いながらセシリアバレエを受講しています。
校内で移動の時間がないため、レッスン前の空き時間には勉強するなど時間を有効活用できる点もメリットに感じているそうです。
「学校のクラブ活動としてバレエができるのは大きな魅力」と語るのは、高校2年生の横澤枝里さん。高校生になるとバレエを辞めてしまう友人も多いなか、普段一緒に勉強している友人達と踊ることができて、さらに先輩後輩とも関係性を築いていける点は校内の活動ならではといいます。
取材時は発表会の直後で、横澤さんは「いつも学校で一緒に練習しているメンバーが笑顔で踊っているのを見て、私も頑張ろうと思えた。本当にあたたかい雰囲気のなかステージに立てた」と発表会の感想を教えてくれました。
井上さんも「コンクールやひとりで踊る発表会では圧倒的な緊張感がありますが、セシリアバレエの発表会は運営やメイクなど先生方がお手伝いに来てくれて大きな安心感がありました。ホールを借りて、素晴らしい舞台装飾のなか踊れた経験は忘れられない」と、先日の発表会を振り返りました。
仲間と共にかけがえのない時間を過ごしながら芸術に親しみ、豊かな心を育んでいます。
聖セシリアバレエは2年に1回、海老名市文化会館大ホールで発表会が行われ、幼稚園か
ら高校生まで、レッスン生全員が参加できる。
クラスごとの発表のほか、ソロによるヴァリエーションや集団演技もあり、見ごたえ抜群
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
聖セシリア女子中学校
[学校HP]https://www.cecilia.ac.jp/
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最寄駅/
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