校則改正のプレゼンで相手の立場を尊重しながら意見する力を養う
「学校生活をより良くしたい!」
生徒主体のプロジェクトがスタート
生徒からの疑問の声をきっかけに校則が見直され、2021年には服装や補食に関する校則が数十年ぶりに改正となった相模女子大学中学部。2022年度にはそれまでスカートのみだった制服にスラックスが導入されましたが、その際には各クラスの「中央委員会」で話し合いが行われ、生徒の意見が制服のルール設定に取り入れられたといいます。
校則変更をきっかけに、中学生の有志が集まり「ルールメイキングプロジェクト」がスタート。校則に疑問を持つ生徒や、仲間や後輩がよりよい学校生活を送るために貢献したいと考える生徒たちが集まり、1年間かけて、学校生活をよりよくするために見直せる点がないか話し合いが行われました。1年間の活動について、生活支援部長の片山京子先生に伺いました。
「前例のないプロジェクトなので、はじめに目標を決め、活動方針を明確にしました。この組織の目的は、校則を変えることではありません。立場や考え方の異なる人と対話をしながら、お互いに納得できる答えを探していくことです。あらためてその点を確認しつつ、『みんなが大事にできる校則をつくる』という目標をつくり、活動をスタートしました」
目的はルールを変えることではないため、組織の名前も「ルールメイキングプロジェクト」から「マーガレットリフォーム」に変更。「より良くする」という意味の「リフォーム」に、校章に使われているマーガレットの花を組み合わせた名前です。
プレゼン準備で
協働の力が発揮された
その後、全校生徒へのアンケートを行い、校則で気になる点や学校生活で困っていることをヒアリング。多岐にわたる意見のなかからまずは安全性や利便性にかかわるものを拾い上げ、校則改正案を考え、教員へプレゼンテーションするための準備が進められました。片山先生によると、プレゼンの準備をするなかで普段接点のない生徒同士が協力し合っていく姿が見られた、といいます。
「先生達にどう伝えたら理解してもらえるのかを考え、メンバーのプレゼンを聞いてわかりにくい点などを指摘し合うことで、他者意識が身についたようです。自分の意見を押し通すのではなく、相手を尊重しながら発言している姿が印象的でした」
まずは生活支援部の教員へプレゼンを行い、指摘をもとに提案内容をブラッシュアップし、最終的に中学部の職員会議で提案を行いました。結果的に、4つの改正案のうち、「サブバッグが指定のものでなくてもよい」「ローファーだけでなく黒の運動靴でもよい」という2つの案は許可がおり適用に。残りの「指定ソックスのデザイン見直し」「制服につける校章をバッジではなく刺繍にする」という2つの案も改正の必要性が認められ、第2期マーガレットリフォームメンバーで検討することになりました。
「ルールを変えることが目的ではありませんが、やはり自分たちの意見が採用されたら嬉しいものです。どうすれば相手に話を聞いてもらえるのかを考えながら、対話のスキルを高めていってほしいと思います」(片山先生)
プロジェクトは第2期メンバーに引き継がれ、今後は制服のデザインを担当している業者との打ち合わせに同席するなどしながら、細部を検討していくといいます。校内だけでなく外部の人とも接することで、さらに交渉力や対話力が培われていきます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
相模女子大学中学部
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