3年間で約100回の理科実験・観察を実施 外部の専門家から学ぶ「理科の課外授業」も充実
理科の実験・観察を通して体験としての知識を深める
キリスト教に基づいた人格の育成、そして中学から英語とフランス語を必修とする外国語教育が特徴の白百合学園中学校ですが、理科教育の充実でも定評があります。
「医歯薬系を中心に理系大学へ進学する生徒は年々増加しており、高3では文系理系の割合が半々となっています」(瀧澤裕子先生)。
理系進学希望者が多い理由としては、昨今の理系女子人気に加えて、白百合学園が長年、理科教育に力を入れてきたこともあげられます。同校には、生物・化学・物理・地学と分野ごとに各1つ、合計4つの実験室があり、中学3年間で約100種類もの実験や観察が行われています。
「教科書の知識だけでなく、実際に実験を通して体験することで、理科への理解をしっかりと深めていきます。実験が終わったらレポートを書かせて、考察する力や記述する力も育成します」そう語るのは理科を担当する若林陽子先生です。
授業では、大学が開発したキットも利用。高校の従来の設備だけでは実施が困難だった遺伝子組換え実験やウニの発生実験も行っています。
また、富士山生態系実習、高大連携遺伝子分析実験講座のような、課外授業のプログラムもあります。同校の課外授業は通常の授業時間外に、教科で習った知識を学外の専門家から実験や観察を通して学ぶことで、さらに発展させていくものです。
「例えば富士山生態系実習では、五合目で森林限界を観察し、生態系について理解を深めます」(若林先生)。
現在の生物の教科書ではDNAや遺伝子について学ぶ内容が多いのですが、具体的なイメージがつきにくいのも事実です。
「そういったDNAや遺伝子についての実験も大学が開発したキットを使ったり、大学の機器を持ち込んで利用させてもらったりすることで、普段の授業ではなかなかできない学びの体験の場となっています」(若林先生)。
例えば東邦大学の協力を得て行う遺伝子分析実験では、大学から専用の機器を持ち込んでもらい、希望者は自分のDNAを用いて筋肉の遺伝子が「短距離走向き」か「長距離走向き」かを調べます。ティーチング・アシスタントとして参加する大学生や大学院生と交流をすることで、将来の進路選択へのイメージ付けにもなっていると言います。
「授業でも多種多様な実験をしますし、課外授業では1日かけて外部の専門家からじっくり学ぶ経験をします。そういう積み重ねが、自分がどんな学びをしたいのか、将来どんな仕事をしたいのかという適性を考えるきっかけにもなっているようです」(若林先生)。
組換えDNA実験(高2生物選択)山口大学が開発した遺伝子組換え実験キットで実験
高大連携遺伝子分析実験(高2生物選択) 東邦大学理学部の先生による実験
富士山生態系実習(高2生物選択) 富士山五合目の植生観察・山梨県富士山科学研究所の見学と講義
ウニの受精・発生実験(中3全員・高2生物選択) お茶の水女子大学の海洋教育促進プログラム「海からの贈りもの(ウニ)」を利用した実験
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
白百合学園中学校 [学校HP]https://www.shirayuri.ed.jp/ 〒102-8185 東京都千代田区九段北2-4-1 Tel.03-3234-6661 最寄駅/JR・メトロ東西線 南北線 有楽町線・都営大江戸線「飯田橋駅」、メトロ東西線 半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」徒歩10分。