図書館の積極的な教科との連携で「考える読書」の機会を増やす
「新書レポート」で
大学の学びへの理解を深める
窓から海が見えるため、「海の見える図書館」として親しまれている同校の図書館。司書教諭2名が常駐しており、普段のレファレンス対応だけでなく、各教科と連携した様々な取り組みで生徒をサポートしています。
なかでも特徴的なのが、国語科と連携した「進路に合わせた新書を読む」という課題。希望進路に関係した内容が書かれている新書を選んで読み、図書館で作成したワークシートを使って内容を要約し、自分の意見を記入します。
この取り組みが始まったのは2014年度からで、青山学院大学と教育提携が締結され、大学の推薦枠が増えたことがきっかけだといいます。新書に書かれている内容を理解したうえで論理的に自分の意見を主張することは、大学入試の小論文対策や面接対策としても有効であるため、中学3年の春休みから高校3年まで全員が毎年取り組むようになりました。
「新書は、図書館で作成した学問ジャンル別の『オススメ本』のリストから選ぶこともできますが、おもしろそうな本が見つからない場合は図書館で相談しながら一緒に探しています。中学3年では職業体験があり、事前学習から将来について考える機会が豊富にあります。その流れで、大学で学ぶ学問への理解も深めてもらえたら」(司書教諭・平岡志保里先生)
様々な本との出会いで
興味を広げ、思考力を育む
このほか、社会との接点になる身近な情報源である新聞記事から気になるニュースを選び自分の感想をまとめる取り組みや、ひとり1冊おすすめの本を紹介し、「読んでみたい」と思う本に投票し「チャンプ本」を決める「ビブリオバトル」、高校生が議論を交わして直木賞ノミネート作品の中から“今年の1作”を選ぶ「高校生直木賞」など、情報や本に親しむイベントが目白押しです。
「子どもの本離れが進んでいるとも言われますが、生徒たちは、手に取っていざ読み始めると『おもしろい!』と夢中になってくれることが多くあります。館内の展示や教科との連携を通して本を紹介することで、生徒と本との関わりの機会を増やしていけたら」(司書教諭・平岡志保里先生)
「ICT化が進むこれからの社会では、いま以上に私たち人間の『考える力』が問われてくるでしょう。本を読み、著者の主張や物語の主人公の気持ちに触れながら思考を巡らせることで、『考える力』を伸ばしてもらえたらと思います」(司書教諭・沼島昌代先生)
新書を読む課題では、図書館が学年ごとに学問ジャンル別のオススメ本を紹介してくれるため、その学年に適した難易度の良書を課題図書に選ぶことができる
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
横須賀学院中学校
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