私学探検隊

企業が創った海陽学園はキャリア教育も唯一無二

企業が創った学校を調べてみると、古くは安田財閥が創った安田学園中学・高校(東京都)や浅野財閥が創った浅野中学・高校(神奈川県)などがあり、また、兵庫県の伝統校である灘中学・高校や甲陽学院中学・高校も、地元の酒造家が深く関わっていることがわかります。最近では、カドカワグループが創ったネット学校のN高校(沖縄県)が話題になりました。

海陽学園(愛知県)も企業が創った学校には違いないのですが、前出の学校とは一線を画します。それは、関わった企業の多さです。海陽学園は、トヨタ自動車・JR東海・中部電力の3社が中心となり、加えて日本を代表する約80社(表1はその一部)の賛同を得て、2006年に全寮制の中高一貫男子校として開校されました。そこには「日本の将来を任せられる有為な人材を育てるには、中等教育で、かつ全寮制という仕組みが必要」という各社共通の認識があったことが伺い知れます。自社や地元産業への人材還元のためでなく、将来の日本を思い異種企業がタッグを組んだことは特筆に値するでしょう。

表1 賛同企業(抜粋)
キヤノン、JFEホールディングス、新日本石油、デンソーグループ、東京海上日動火災保険、東芝、日本たばこ産業、日本郵船グループ、松下電器産業、日立製作所、富士写真フイルム、三菱電機など ※社名は当時のもの

このように非常に多くの企業が関わっている海陽学園ですが、キャリア教育ではその質と量で他校を圧倒しています。 その理由はズバリ「フロアマスター(以下、FM)」の存在です。FMとは、海陽学園の教育に賛同する多くの企業から派遣された若手男性社員のことで、日ごろはハウス(寮)で生徒と寝食をともにし、生活や進路のアドバイスをしてくれる頼りになるお兄さんのような存在です。このFMが出身企業とのパイプ役になってくれるおかげで、およそ他校では実現不可能と思われるような工場見学や企業訪問といったキャリア教育が行われているのです。表2に高1~2生が参加した企業訪問の2022年度実績を示します。これを見れば、海陽学園のキャリア教育が唯一無二であることが一目瞭然でしょう。

表2 2022年度 企業訪問先
JR東海、JR西日本、JTB、キヤノン、ジェイアール東海、高島屋、ジェイテクト、清水建設、全日本空輸、大成建設、中部電力、東京海上日動火災保険、東芝、トヨタ自動車、トヨタ車体、日本郵船、日本旅行、三菱電機 ※社名は当時のもの


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

海陽中等教育学校
[学校HP]https://www.kaiyo.ac.jp/
〒443-8588 愛知県蒲郡市海陽町3-12-1 Tel.0533-58-2406
最寄駅/
JR東海道本線「三河大塚駅」から徒歩約20分 

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