私学探検隊

社会課題に取り組む『共生学』と『探求』が未来を作る

体験重視の独自プログラム
「共生学」と「探求」

創立以来、「生活即教育」という理念とキリスト教精神を土台に独自の学びを実践してきた自由学園。教室での学びだけにとどまらずに自然豊かなキャンパスや社会との関わりを学びの時間とする、体験プログラムを用意しています。

同学園で大きな学びと位置付けているのが、「共生学」と「探求」です。学園独自の取り組みである「共生学」(週2時間/必修)は、「平和・人権・環境」の3つの言葉をキーワードに社会の課題を24講座で開設。24講座のうち、生徒一人につき12講座を受講し、受講していない12講座は他の生徒からシェアしてもらいます。年度後半からは学年縦割りの男女一緒のグループで、ボランティア活動や地域取材など課題解決に向けた具体的なアクションに繋げていきます。

もう一つの重要なカリキュラム「探求」(土曜日/必修)は、自ら「問い」を見つけて深掘りしていくプロジェクト型の学びです。「生きる意味の探求」につながることを願い、「探究」ではなくあえて「探求」の文字を採用しています。

「いろんなことを吸収できる10代の時期だからこそ、好奇心旺盛に探求してほしい」と、副学園長で男子部校長の佐藤史伸先生

自己肯定感を高めて眩しいほどに輝く

男子部校長の佐藤史伸先生は、中等科から大学部までいる生徒たちと、地球温暖化の抑制策として注目される探求テーマ「リジェネラティブ・オーガニック農法(RO農法)」に取り組んでいます。

「環境再生型農業」とも呼ばれるRO農法とは、土を耕さずに自然の力を使って作物を育てる不耕起農法。土壌が健康であるほど空気中の炭素を多く吸収(隔離)することから、気候変動の抑制に有用だとされています。「グループ最年少の中3男子は人間関係に悩んで少し落ち込んでいたのですが、農場で生き生きと動き回り、表情がどんどん明るくなっていきました。今では率先して地域のお弁当配布ボランティア活動にも参加し、彼が来るのを心待ちにしている高齢者もいます」

眩しいほどに成長していく少年は、やりがいを見つけた自己肯定感に溢れていました。RO農法の活動から「ソーラーシェアリング」の探求テーマが派生するなど、生徒発案による「探求」と「共生学」が連動したプロジェクトが、いくつも生まれています。

「共生学」の授業で「子ども食堂」の活動を知り、コロナ禍で食堂の運営ができなかった時に、生徒たちが食事づくりの支援活動を行った

学園の外に出て実践しながら課題解決に取り組む

「中高6年間は最も感受性豊かで自我が形成される時期。自分がやりたいと思える課題に真剣に取り組める、貴重な時間を大切にしてほしい。10代ならではの純な理想と現実社会のギャップに挫折することもあるでしょうが、その気づきもまた大事な学びであると考えています」と佐藤先生。

「本学園は各学年1クラスという少人数編成だからこそ可能な、生徒一人ひとりを大切にする教育を行っています。社会の課題を解決するために行動する教育理念も、創立以来普遍のもの。何が問題か、解決には何が必要か、自分はどう動けばよいか。知識を蓄えるだけでなく、生徒たちは積極的に学園の外に出て活動しています」

『共生学』と『探求』で育まれる知恵と行動力が、生徒たちの未来をつくる原動力となるのです。

このように一人ひとりの個性と多様性を尊重する自由学園には、全国各地や世界から生徒が入学しています。東京都内では数少ない“寮のある学園”です。「互いの存在と自由を尊重し合うダイバーシティマインドを育む場となっています」

生徒たちが選んだ寮長の下、炊事、洗濯、掃除のやり方など寮生活の運営も生徒の自治に委ねられている


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

自由学園 男子部女子部 中等科[学校HP]https://www.jiyu.ac.jp/
〒203-8521 東京都東久留米市学園町1-8-15 Tel.042-422-3111
最寄駅/西武池袋線「ひばりヶ丘駅」徒歩8分。JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」から西武バス「ひばりヶ丘駅」ほか。

この学校の詳細情報を見る