私学探検隊

東京農大の理念と実学教育を受け継ぎ、「究理探新」でつねに挑戦し続ける

味噌の醸造に養殖など
実学体験が学びのベースを育む
埼玉県東松山市の自然豊かな環境にある東京農業大学第三高等学校附属は2009(平成21)年、東京農業大学の中学として2番目に開校。大学の建学理念でもある3つの教育理念「不屈」「探究」「信頼」と実学教育を受け継ぐ同校について、校長の神山達人先生に伺いました。
「本校ではSTEAM教育(*1)と連携しながら、①実学教育②国際教育③学習指導の3つに力を入れています」と言う神山先生。
実学教育では中1の醸造体験、中2の養殖体験、中3の北海道への体験型修学旅行が特徴的です。

醸造体験(中1)

味噌は生徒一人ひとりに配られる。


「中1の醸造体験は味噌づくりです。大豆は種まきから行い、栽培し、収穫。大豆は12月に東京農業大学に持って行き、味噌にします。また中2ではヒラメを飼育し、生態などを調査し、養殖業の将来についても学びます。一方中3の修学旅行では東京農大の北海道オホーツクキャンパスを訪れたり、アイヌの文化にふれたり、鮭の加工体験を行います」

これらの実学体験はすべて専門家の指導のもと行われ、「味噌づくりでは食べ物が食卓に届くまでの苦労を知り、最終的にはヒラメをいただくことになる養殖体験では命の大切さも学びます」とのこと。

人間力も含めた実学的考え方のベースを学び、大学進学やその先の将来へとつなげていきます。

養殖体験(中2)

ヒラメは2つの水槽で6~7匹飼育。

体験型修学旅行(中3)

新巻鮭づくりにも挑戦する修学旅行は、中学の実学教育の集大成。

学校と保護者と塾が三位一体
となって学習をサポート
「国際教育では実学をベースにして英語で発表する機会を多く設けています。また、中1では華道や百人一首など日本文化も学び、グローバルな視野も身につけています」
中3ではニュージーランドに語学研修に行きます。希望制ですが毎回半数以上の生徒が参加、グローバルに対する意識は高いようです。
ところで、高校卒業後の進学先ですが、東京農大はもちろん、国公立大や難関私大などの他大学へ進学する生徒も多いようです。そのため中学生のうちから学習サポートにも注力しています。とくに『EdOM』(*2)は同校独自の自学学習支援システムとして活用。これは塾の先生が学校に常駐し、1週間のうち3日、自習室と講習で学習をサポート。なお、部活動などで受講できない時は帰宅後、ZOOMで受けることが可能です。
「学習サポートは学校・保護者・『EdOM』の三位一体で行います。『EdOM』を導入したことにより主体的に学ぶ力が養われています」
これが大学入試を突破するベースとなっています。

校長の神山先生はもともと同校の社会科の先生で、2020年に校長に就任。

「究理探新」…歩みを止めず
新しいものを探り続ける
理系志向のイメージが強い同校ですが、文系にも力を入れています。「たとえば地理で自分が住む地域調べ、文章力養成にも力を入れ、文理融合をはかっています」
また現在、大学とともに4年計画で改革を行っているそうです。
「『N2026中期計画』とし、本校ではSTEAM教育で欠けているものがないか検討したり、国公立大への合格者を現在の30名から50名に増やすことを目標にしたり、フィールドラーニングの拡充を図っている最中です。また、台湾など英語圏以外の地域との交流を図り、さらなるグローバル化を目指しています」
STEAM教育で本質を究め、さらに新しいことを探るという意味の「究理探新」を学園メッセージとする同校のこれからにも注目です。

制服にも注目!

女子のスラックスとネクタイ(左)、紺のポロシャツ(中央)、白のポロシャツ(右)

2022年11月には女子のスラックスとネクタイが追加。さらに、2023年度より紺と白の夏用のポロシャツを導入。組み合わせは50通りに増え、着心地が良いなど機能面での評判も上々だ。

(*1)
STEAM教育:SはScience(サイエンス)、TはTechnology(技術)、EはEngineering(工学)、AはArt(アート)、MはMathematics(数学)。
(*2)
EdOM:EdはEducation(教育)、OはOpportunnity(機会)、MはMotivation(動機)の頭文字をとって名付けられた。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東京農業大学第三高等学校附属中学校
[学校HP]https://www.nodai-3-h.ed.jp
〒355-0005 埼玉県東松山市大字松山1400-1 Tel.0493-24-4611
最寄駅/
スクールバス:西武新宿線「本川越駅」、東武東上線「東松山駅」、JR高崎線「上尾駅」「鴻巣駅」「吹上駅」「熊谷駅」、秩父鉄道「行田市駅」からあり。

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