私学探検隊

学年や教科の枠を超えた刺激的な学びの場 先生と生徒が共に探究する「短期特別講座」

豊かな学びとすべく、自ら考え、動くという自律的な学習者像は、桐朋が育てる生徒たちの姿です。生徒たち一人ひとりの力や好奇心を伸ばすカリキュラム、設備、プログラム、そして先生や仲間たちが、緑あふれる国立市のキャンパスに揃っています。
「生徒が自分から学びを進めていく姿勢を促すことに力を注いでいます」と、原口大助校長先生は言います。そのため多彩な選択授業や、多角的なアプローチを重視した授業などに加え、行事、部活動、さらに進路企画等の学校外の活動など、生徒にとって6年間を通して多くの成長の機会に恵まれています。

枠を超え深く探究する講座
その取り組みの一つが、40年以上前から続く「特別講座」です。
普段の授業や教科書の枠を超えて、放課後に10回程度連続で行われる希望者参加型の講座です。例えば、天体観測も行いつつ太陽系の誕生、生命の起源について学ぶ「現代天文学入門『宇宙生命編』」、歴史と共に映画を分析的に学ぶ「映画論入門」、村上春樹が翻訳した作品の原文をたどりつつ、翻訳の魅力を考察する「翻訳と文体づくり」、アメリカの生徒と交流する「Global Classmates」などがあります。
「特別講座では、生徒は一方的に教わるというより教員と共に探究をし、共に考える時間です。高校生を中心に中高生が学年を超えて学びを深める場になっています」

先生たちの知識と熱意の単発講座
「生徒が知的好奇心を刺激される機会をもっと気軽に作りたい」と、若手の先生の言葉で始まったのが、昨年からスタートした「短期特別講座」です。
「生徒に知的探究心を持つよう推進していますが、本学の教員も教科の枠に限らず興味を追求する人ばかりです。より多くの先生にそうした関心と、そこで得られる学びについて発信してもらいたいと、1回1時間だけの単発講座というスタイルも取り入れました」
特別講座では高校生レベルの知識が必要だったものもありますが、短期講座は中学生も気軽に参加でき、中1から高3まで学年の枠を超えて共につくる学びの場となっています。
開始した2022年度は、15講座が開催され、1講座30~90人くらい、のべ600人以上が参加し、大盛況でした。今年度は、さらに多くの講座が予定されています。

短期特別講座の例

◆「タクコと私~カレーなる人生~」
カレー好きの先生がインドカレーの違いや地理的特徴、スパイスなどを語った。


◆「ロシア=ウクライナ戦争~歴史・地政学から考える」
戦争開始から1年を迎え、改めて歴史や地政学からとらえて考える。

◆「ヒラメの左右非対称性と進化の謎」
左側に目が2つあるヒラメは、実は幼魚のときは左右に目があった?!進化の軌跡をたどる。

◆「団地男子」
全国の公共団地を追う先生が解説する、こうした団地を設計した意図や、その背景、さらに魅力を語る。


◆「梅干しづくり~伝統の保存食を知る」
市内農家に提供してもらった梅を使い梅干しをつけ、日本の伝統的な食文化を体験。また、市内で農業を活かした街づくりに取り組んでいるNPOの卒業生もゲスト講演した。

個性も興味も出し合える学校
自身もいくつかの講座に参加したり、見学したりしたという原口校長先生は言います。
「人は好きなことを話す時、とてもイキイキします。先生が、微に入り細に入り熱く語ることで、生徒の刺激にもなり、生徒たちもとても楽しんでいるようです。『積極的に自ら学ぼう。疑問を持ったら自ら調べ、学び、動こう』と常に伝えているので、教員自身が探究し、実践している姿を開陳する機会になっていると思います。生徒たちの学びのスイッチになるとうれしいですね」
自由参加ということもあり、ほぼ全ての講座に参加する生徒もいるとか。
「個性豊かで、マニアックで、探究心旺盛。そしてそれを人に隠さずオープンにできる、というのがこの学校の伝統だと感じます。こうした桐朋らしさを受容し、楽しんで欲しいと思います」


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

桐朋中学校
[学校HP]https://www.toho.ed.jp/
〒186-0004 東京都国立市中3-1-10 Tel.042-577-2171
最寄駅/
JR中央線「国立駅」・JR南武線「谷保駅」徒歩15分。「国立駅」「谷保駅」から立川バス「桐朋」
または京王バス「桐朋学園」。

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