私学探検隊

卒業制作は、個々の学びの成果と成長の証

豊かな想像力で
「個性」や「好き」を表現
女子美では高校3年次に卒業制作を行い、優秀者には賞が与えられます。各コース1名が選ばれる最優秀賞「100周年記念大村文子基金女子美美術奨励賞」を受賞した生徒たちに、作品について語ってもらいました。

〈タイトル〉「おかさな」 アクリル画 F120(タテ1,940×ヨコ1,303㎜)

和田 さくら姫さん(デザインコース)

デザインコースで受賞した和田さんの作品タイトルは「おかさな」。幼少期の自身の「言い間違い」をタイトルとし、海のなかを表現しました。
特にこだわったのが、中央の赤ちゃんの構図や質感だといいます。自分の昔の写真を見たり、実際の赤ちゃんに協力を得ながら、ムチムチ感や関節の動きなどを学んだといいます。「女子美には、生徒それぞれの個性を尊重する風土があります。女子美に入って、自分の長所を認めて自信を持てるようになりました。作品にも、弱さやコンプレックスをアイデンティティとして受け入れたい、という思いを込めています」(和田さん)

〈タイトル〉「つめる」
木に水彩 10×130×70㎝

竹内 栞生さん(工芸・立体コース)

工芸・立体コースの竹内さんはお弁当をモチーフに木でパズルを制作。具材は和食・洋食・中華の3種類があり、自分の好きな具をつめることができるようになっています。「お弁当に具材をつめるときのワクワク感や、ぴったり入ったときの嬉しさを表現しようと考えました」(竹内さん)。
特に、個々の具材の描写や立体感にこだわったといいます。「女子美は先生との距離が近く、美術が好きな者同士としていろいろな話ができて刺激的でした」(竹内さん)

〈タイトル〉「発想の灯り」
油彩 F130(タテ1,940×ヨコ1,620㎜)

山本 遥香さん(絵画コース)

絵画コースの山本さんは、アイデアの象徴である「電球」を持つちょうちんあんこうを探しに行く、というストーリーを描きました。「入学時の目標が、発想力を伸ばすことでした。高校3年間で様々な作品に向き合うことで大きく成長できたため、学びの集大成として『発想力』をテーマに描きました」(山本さん)
細部にこだわり、作品を見る度に発見がある絵を目指したといいます。「女子美は、個性をさらけ出せる場。大学でも好きなことに忠実に、作品をつくり続けたい」(山本さん)
生徒達の卒業制作は、東京都美術館にて女子美術大学・女子美術大学短期大学部との合同で展示され、また受賞者から後輩へ向けて、作品のプレゼンテーションが行われました。卒業後は女子美での学びを活かして、それぞれの進路へ羽ばたきます。

 


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

女子美術大学付属中学校
[学校HP]http://www.joshibi.ac.jp/fuzoku/
〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8 Tel.03-5340-4541
最寄駅/
メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩8分。

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