お話を聞かせてくれた佐藤先生と1期生のK.M.さん（高3）、O.M.さん（高3）。

世界的な教育メソッド「ドルトンプラン」に基づき、Active Learner（自律的な学習者）の育成に取り組んでいるドルトン東京学園中等部。「生徒が主役」という教育の中、生徒一人ひとりが自分の個性を発揮しながら、可能性にチャレンジしています。

自分を深掘りし
留学のチャンスを掴む
昨年度、1期生である高校2年生（現3年生）の4名が、文部科学省が展開する「トビタテ！留学JAPAN（以下、トビタテ）」に採択され、それぞれ自分が設定したテーマとプランに基づき現地で活動を行いました。「高校1年で行ったアジア研修のネクストアクションとして最適だと判断し、トビタテを生徒に紹介しました」と、国際部長の佐藤貴明先生。1期生対象ということで校内にロールモデルとなる先輩がいませんでしたが、幸いなことにアジア研修でメンターを務めた方が、トビタテの1期生だった縁から、体験を語っていただく説明会を開催したそうです。日頃から関心を広げながら主体的な学習をしている生徒たちは、早速、応募書類作りに着手。先生に加え校外の方にもコンタクトをとり、必要なアドバイスを求めていきました。
「応募書類には多様な視点からの質問があり、回答するには深い自己分析が必要でした。留学先での経験も貴重ですが、私は書類作成のプロセスに大きな意味があったと考えています。さらに採択された生徒は、留学中のプランづくりもしなくてはいけません。目的の実現に向けて長期的な計画を立てることは、大学入試はもちろん一生使えるスキルです。これからのチャレンジやプロジェクトで、今回の経験を活かしてくれることを期待しています」（佐藤先生）。

K.M.さん オーストラリア・パースに3週間留学
ドルトンではプロジェクト形式の学習を行っています。仮説・検証を繰り返して課題解決に繋げるプロジェクト形式での学びをさらに深めたいと考え、ハウス（学校生活の基盤となる学年縦割りのコミュニティ）のアップデートをテーマに、オーストラリアのパースにある学校で調査を進めました。
留学前は教員主導になるとトップダウンの関係性が出てしまい、ハウスの居心地が悪くなるという仮説を立てていました。ですがパースの学校で、教員が前に立つことが多いにも関わらず、それが悪く作用していないという現実を目の当たりにして、仮説とのギャップに衝撃を受けました。そこからさらに調査し、ハウスへの帰属意識が必要不可欠であるという仮説に至りました。
帰国後はドルトンのハウスでロゴづくりを提案するなど、帰属意識を高める活動をしています。できれば卒業までにハウス同士の横の繋がりも確立したいですね。
将来はコミュニティづくりをしたいと考えています。そのため、人種・文化・宗教など多様な価値観を互いに受容している海外の大学でコミュニティについて学び、自分がどのようなコミュニティをつくり、どのような人を幸せにしたいかを明確にしていきたいです。

O.M.さん インドネシア・バリ島に2か月留学
高校1年のアジア研修でバリ島へ行き、環境問題に関するプログラムに参加したことをきっかけに、「環境問題を解決したい」「そのために様々なことに挑戦したい」と考えるようになりました。その結果、環境問題プログラムを日本でも展開したいと思い、必要なスキルや「良い組織とは何か」について学ぶため、研修でお世話になった会社でのインターンを決意しました。
現地では会議に出席したり、バイオガスの視察をしたりと、いろいろな仕事を経験したと同時に、専門家の意見を伺うことで新たな視点に気がつくこともできました。苦労もありましたが、それ以上に得たものも多かったです。また、プログラムに参加する日本人高校生にも出会え、留学を通じて環境問題に取り組む仲間ができたことも嬉しい出来事でした。
もともと私は神経質な面がありましたが、アジア研修中にアクシデントに見舞われたことで、寛容性が増したと感じています。今回の留学でも部屋の電気やガスが止まったり予期せぬトラブルに遭遇しましたが、周りの人の助けもあり、よりおおらかな気持ちで物事に対応できるようになりました。
環境プログラムを展開したいとの思いから応募した留学でしたが、現地での経験により今は自然のサイクルに合わせた暮らし、自給自足をしたいという思いが高まっています。

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