私学探検隊

「創造性教育」でエンジニアリングデザインを学び世界に自分たちの仕事を創ろう

まもなく創立100周年
創立以来の実学指向を今に

【中1の創造性教育】フィールドワークやインタビューも行い、デザイン思考を駆使して、「理想の街」を創る

JR京浜東北線の上中里駅よりすぐ。近くには滝野川公園や旧古河庭園がある閑静な住宅街の中に建つ瀧野川女子学園は、2026年に創立100周年を迎える伝統校です。

前身となる瀧野川実科女学校は、教員出身で5人の子育て中だった創立者・山口さとる氏が37歳の時、自宅の2階を開放して、「女性が望むような人生を手に入れることができる学校を作りたい」という思いから創立されました。
「昭和の初め、本校の卒業生たちは様々な企業に就職しました。当時、彼女たちは財務や会計の能力の必要性を感じ、学校は後輩たちにその教育を行ったそうです。つまり、当時から本校は実学志向が高かったわけで、今でもその伝統は連綿と受け継がれているのです」と話すのは創立者のひ孫で副校長の山口龍介先生。

【高2の創造性教育】
高2の修学旅行はハワイへ。ハワイ大学マノアキャンパスで「事業化実習」で企画・開発・製造した商品をチャリティーバザーとして販売

山口先生は東京工業大学大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻でロボット工学を専門とし、文部科学省大学教育支援プログラムGPに関わるなど、最先端の技術教育や国際教育に精通。そんな山口先生が主導するのが、2023年1月、その取り組みが評価され、「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣表彰を受賞した「創造性教育」です。

欲しいものは
自分たちで創る

【中2の創造性教育】 「人を喜ばせること」を目標に、1年間かけて「大道芸ロボット」を創る

「創造性教育」は週1~2時間あり、中1では理想の街づくり、中2では大道芸ロボットづくり、中3では個人研究に取り組みます。また、高校生になると、高1で商品を企画し、高2ではそれらの集大成として「事業化実習」を行うことに。「事業化実習」は実際に事業を立ち上げ、マネジメントからマーケティング、商品を開発し製造、学園祭やハワイ修学旅行のチャリティーバザーで販売します。創造性と起業家精神を養い、自らの仕事を創出し、日本と世界を活性化させる考え方や力を身につけます。
「『創造性教育』で一貫して重視しているのが『エンジニアリングデザイン』です。たとえば、家庭でシステムキッチンなど高額な製品を選び、購入する決定権があるのは実際にそれらの製品を使う女性ですよね。しかし、実際に商品のデザインや設計をしているのは男性が多く、男性目線で作られています。そのように考えると、女性自身が設計・デザインしたほうがより使いやすいものになりますよね。したがって、今産業界では誰かの『欲しい』をデザインできる女性が求められているのです。誰かの『欲しい』をカタチにするエンジニアリングデザインの力を中高生のうちから育んでいくのが本校の『創造性教育』なのです」(山口先生)
「創造性教育」を支える“学び”は、独自の「最先端実学教育」によって培われています。

第7世代ICTと英語が
「創造性教育」をバックアップ
その根幹を成すのがICT。たとえば黒板を大型モニターに替え、生徒は一人一台iPad ProとApple pencilを活用。ICT化は2010年とかなり早い段階から行ってきた同校は、ICTを独自にカテゴライズ。16年からは「第7世代ICT」と位置づけ、21年から主流となっている先進国型大学入試にも対応できる力(下のグラフのStep5~8)を養っています。

15秒CMなどの表現力を培う高度映像教育

また、女子には苦手意識の高い生徒が多い数学ですが、「本校では数学の授業が好きという生徒が90%以上に上ります。これは、数学の先生が学問としてのおもしろさを伝えて、ICTによりチームで授業に取り組んでいることによるものだと思います。また近年、早稲田大の政経学部でも入試に数学が必須になるなど、文系でも数学が必要となっています。今年の卒業生には、高2の事業化実習で生きた数字に触れたことで『こんなに面白いことはない』と横浜国大の経営学部に進んだ生徒がいました」
情報科では独自のプログラミング教育をはじめ、動画での表現力を養う授業も。「中2では中1時に学んだプログラミングを生かしてロボットを作ります」(山口先生)
「創造性教育」では国際社会での活躍も視野に入れていて、その一翼を担うのが英語です。英語科は日本人の先生よりネイティブの先生のほうが多く、授業はネイティブの先生と日本人の先生がチームで行い、ごく普通の日本人の生徒が「本当に話せる」英語を身につけます。

授業の満足度が
入学後の満足度に比例
「本校は入学してからの生徒・保護者の満足度が高いのも特徴です」(山口先生)(※右のグラフ参照)
「創造性教育」だけでなく、ふだんの授業でも先生たちは、実社会に向けて生徒たちが自分たちの考えを創り出せるよう、授業を行っています。先生たち自身が、大学で好きなことを思い切り学んできたので、学術レベルが高く、それぞれの教科のおもしろさと実社会での使い方を伝えているのです。このことが授業の満足度の高さに反映されています。
「大学でも国際社会でも、議論を深める良い質問や提案を通じて、参加・貢献することは大切です。それをさらに深めるために、今年度から『質問グランプリ』という、良い質問と貢献を表彰する全校プログラムを始めました」(山口先生)
多様化する大学入試。「創造性教育」など主体的な学びを重視してきた同校の大学合格実績も伸びてきています。最後に、どんな生徒に入ってきてほしいのか伺いました。
「本校は良い意味でふつうの中高らしくない教育を行っています。『いまの教育や学校では物足りない』『何かに挑戦したい』『世界にないものを作りたい』『社会に貢献したい』という生徒や保護者の方に本校を知っていただきたいです」(山口先生)
瀧野川女子学園の門を叩いて、世界への第一歩を踏み出しましょう。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

瀧野川女子学園中学校
[学校HP]https://www.takinogawa.ed.jp/
〒114-0016 東京都北区上中里1丁目27-7 Tel.03-3910-6315
最寄駅/
JR京浜東北線「上中里駅」徒歩2分。メトロ南北線「西ケ原駅」徒歩8分。
JR・メトロ南北線「駒込駅」徒歩12分。

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