私学探検隊

中1生が百人一首を題材に漫画制作にチャレンジ 好奇心を引き出す国語科×美術科のコラボ授業

「文武両道・自学自習・生活習慣の確立」を教育目標に掲げる本郷中学校では、生徒が自立して学びを進められるよう、興味関心を喚起するさまざまな取り組みを展開しています。そのひとつとして挙げられるのが、百人一首を漫画で描く国語科と芸術科のコラボ授業です。
「7年ほど前に『教科横断の授業を展開したい』と前校長の佐久間先生から言われたことがきっかけでコラボ授業が始まりました」と、国語科の横山友彦先生。同校では中学1年の国語の授業で百人一首を取り入れており、定期テストでも毎回20首ずつ出題されます。さらに冬休み明けには1年生全員参加の百人一首大会を開催。個人順位に加えクラス順位も決めるため、毎年どの生徒も真剣に取り組んでいます。「当初は物語を創作して絵本づくりをとも考えましたが、せっかくなら百人一首を使おうということで美術の先生と相談して、授業をスタートさせました」(横山先生)。

歌人に共感することで
古典をもっと身近に
漫画制作にあたり、生徒たちは百人一首の中から好きな歌を選び、夏休みの宿題として漫画のプロットを作ります。下の生徒さんの作品からも分かる通り、漫画にするといっても百人一首をそのまま描くわけではありません。そこは本郷らしく一捻り。歌の「心」を理解した上で、「姿」は現代風に表現します。「近年、若い人の間で古典離れが続いており、本校でも『なんで古典をやらなきゃいけないのか』という生徒の声が聞かれます。百人一首は八〇〇年以上前の人びとが詠んだ歌ですが、当時の人も同じようなことを思い、考えていたことが分かると、少しは親しみが持てるのではないかと思っています。また、そのまま漫画にしてもつまらないですし、より身近に感じるには、今に置き換えることは効果的だと考えました」(横山先生)。
もちろん歌の解釈については、国語の先生がアドバイス。さらに先輩の作品を見本として示すことで、生徒のやる気を引き出します。「数学合同授業など、本校では他学年とも繋がりが強いため、身近なライバルとして先輩を超えたいという思いがあるようです」と横山先生。

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほ恨めしき あさぼらけかな
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな

国語に対する忌避感をなくし
言葉への関心を高めたい
今では中学2年から始まる古典の導入にもなっている百人一首を軸としたコラボ授業。横山先生に今後の展望をうかがうと、「10年15年と続けていくことで生徒が新たな試みを始め、こちらが思いもよらなかった方向にブラッシュアップしていくのではないかと期待しています。男子は国語に対して苦手意識を持っているケースが多いので、このような取り組みを通じて、言葉を学ぶことに関心を持ってくれたら嬉しいですね」と話してくれました。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

本郷中学校
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