多様な社会課題に向き合いつつ、広い視点で主体的に自分の興味・関心を深めていく
執筆論文について
檀上でプレゼン
高校3年の上村凌太さんは、学校広報のための映像コンテンツを作ったり、特許庁から意匠権を取得するなど日頃から著作権について考える機会があったことから、デジタル空間での著作権問題について発表を行いました。
「問題の背景を丁寧に説明することで、自分が何に課題意識を持っているのか知ってもらえるように工夫して発表しました」(上村さん)
テーマを決めた高2の夏休み明け頃から少しずつ文献を集め、有識者に話を聞きながら論文を仕上げていったという上村さん。今回の発表では、高1~高3生へ向け、具体例を多く盛り込み、専門用語を使わないようにしながらわかりやすく伝えることを意識したといいます。
総合探究では、高1から様々なテーマの社会課題について考える機会があります。授業を通してさまざまな業界の人から話を聞くなかで、上村さんは、「モノの見方が変化した」と語ります。「ひとつの側面ではなく、多様な視点からものごとを俯瞰して見られるようになりました。僕が興味を持っているのは情報の分野ですが、今回の論文執筆を経て言葉を再定義することの大切さに気づきました。特定の分野にとらわれず、法学、哲学、社会学などあらゆる分野を学びながら好きなことを研究していきたい」
中学1年からテニス部に所属している高校3年の嶋田ジュリアン湊さんは、フォアハンドに苦手意識があったことから「テニスのフォアハンドにおける有効性のある動作特性」というテーマで発表を行いました。実際に自分たちでテニスのフォームを撮影し、世界ランキングの選手との動きの比較によって動作特性を解明した嶋田さん。先行研究が少ないことから、論文を探したり、分析方法を考えるのに苦労したといいます。
「卓球やバドミントンなど、テニスと動作が似ているスポーツの研究の分析手法を参考にしながら、自分でもできる方法を考えました」
また、嶋田さんは文系進学クラスに在籍しており、文献における物理の専門的な用語や数式の意味を調べることに時間を費やした、といいます。「今回扱ったのはスポーツバイオメカニクスと呼ばれるジャンルで理系分野ですが、好きなことであれば文系の人間でも突き詰めることができるということをみんなに知ってほしかった。今後は、フルダイブVRを学んでみたい」(嶋田さん)
高3論文8000 最終発表会
サレジオ学院では総合探究の授業として、中学3年の後半から高校1年にかけて2000字の論文を、高校2年から3年にかけて8000字の論文を、自分が好きなテーマで全員が執筆。この日は高校3年生の論文発表会が行われ、クラス内発表を経て優秀作品に選ばれた4名の生徒が檀上で発表。今回はそのうち、2名の生徒に話をうかがいました。
広い世界に目を向け、
様々な社会課題に触れる
総合探究では論文執筆以外にも、CS(クリスチャン・スピリット)という社会課題を学ぶ授業が行われています。CSでは、ボランティア、国際問題、環境、AI、情報リテラシー、文化、精神と健康の7つのテーマについて、ゲストスピーカーを招いて学びます。
CS担当の染谷諒先生は「これから、自分の好きなこと、やりたいことに向き合わなければならないときが来ます。生徒にはCSを通して様々な価値観に触れて視野を広げたうえで、自分の好きなことに向き合ってほしい」と語ります。
生徒たちは様々なジャンルの学びに触れつつ主体的に研究を深める方法を身につけ、卒業以降も成長し続けます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
サレジオ学院中学校
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