私学探検隊

科学実験で、仲間と課題に向き合う楽しさを知る

探究の過程に科学のおもしろさがある

鷗友学園では中学2年生から高校1年生を対象に、理科の授業で1か月間、探究的な授業を行っています。授業のねらいについて、入試広報部部長で理科教諭の若井先生は「実験でなぜその結果が出るのか疑問に思い、探究していく過程にこそ科学のおもしろさがあると思うのです。生徒にはその過程を経験してほしい」と語ります。

この日、中学3年生は化学の実験で、10種類の白い粉末の正体を探る実験を行っていました。あらかじめ図書館で調べ学習を行い、これまでの化学の授業で得た知識や調べた文献をもとに自分たちで実験方法を考えます。そして、作成した実験計画書に沿って2~3名の班ごとに協力しながら実験を行っていきます。10種類の薬品を特定するという目的は同じでも、実験に使用する器具やアプローチの方法は班ごとに異なり、自分たちのやり方で工夫しながら進められていました。

答えを導き出す方法を仲間と探る

細かくメモを取りながら実験を進めていく。班員同士の協力が欠かせない

教員は、安全指導は行うものの課題解決のための質問には答えず、課題終了後もどのようなアプローチの仕方が正解なのか、答えを言いません。今後生徒たちが進学し、答えのない研究課題に向き合ううえで、自らの力で探究していけるようにという思いがあるからだといいます。

中学2年生の物理の実験では、跳ね返るスーパーボールがスムーズに着地する設置台を作成する課題や、空き缶に入れる乾電池の数と、缶の転がり方の関係性を検証するなど、身の回りで起こる物体の運動について仮説検証型実験を行っていました。

「私はこう思う」「それってこういうことじゃない?」等、建設的な議論が展開されている様子が印象的でした。

「班員と意見を交わしながら作業を進めることで、ひとりではたどり着けなかった結果が見えてきます。仲間と実験を行う楽しさの根底には、コミュニケーションがあります。当学園では3日に一度の席替えやアサーショントレーニングを通して、どんな相手に対しても自分の思いを伝えられる練習を実施しています」(若井先生)

2022年度は自然科学系への進学が44%と、理系進学者も多い同校。答えを自分たちで探る楽しさを知った生徒の多くが、「実験をしたい」「研究職に就きたい」とさらなる挑戦を目指し旅立ちます。

教室を飛び出て、廊下のロッカーの高さを利用して実験するグループも

 ※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

鷗友学園女子中学校
[学校HP]https://www.ohyu.jp/
〒156-8551 東京都世田谷区宮坂1-5-30 Tel.03-3420-0136
最寄駅/ 東急世田谷線「宮の坂駅」徒歩4分。小田急小田原線「経堂駅」徒歩8分。

この学校の詳細情報を見る