私学探検隊

情報・テクノロジー教育推進団体と、 女子生徒向けのカリキュラムを開発

情報を学ぶことで、将来の選択肢を広げてほしい

社会科の公民的分野ににおいて、将来の日本の「福祉と負担」についての論拠を固めるために生成AIとディベートを行う中3の生徒たち

「自ら考え、自ら学び、自ら行動する」を教育目標に掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、多様な学びの機会を提供する日本女子大学附属中学校。2023年、情報・テクノロジー教育を推進するNPO法人「みんなのコード」と連携協定を締結。生徒の情報活用能力が高められるようにカリキュラムを開発し、授業に取り入れています。

「日本のITエンジニアの女性比率はまだ低く、また生徒にプログラミングを教える側も女性が少ないという課題があります。本校の技術家庭科では被服や調理に強みがあり、これまで情報は標準的な座学に留まっていました。しかし、ICT化が加速するなか、学校として、体験を通した豊かな学びの機会を提供したいとの想いから、『みんなのコード』さんと組み、本校女子生徒が楽しく学べるカリキュラムを設定しました」(教頭・國澤恒久先生)

新たに設定されたカリキュラムは、技術家庭科の授業内に導入されています。1、2年次にはひとり1台所持しているiPadに機器を接続して簡単なプログラムを組み、センサー機能を活用したり、互いに通信させることで普段自分たちが使っている家電やメールの仕組みを学びます。

3年次には学習者用の生成AIを使って機械学習の仕組みを学んだり、社会科の公民の授業で扱われたテーマに関して生成AIとディベートを行ったりしながら、その特性を理解していきます。著作権など倫理的な側面からも指導を行いつつ、自分達の身近な課題を解決するために生成AIを活用する方法を考えます。

「授業では生徒同士で教え合う光景が見られ、コミュニケーションが生まれていました。楽しみながら学ぶ姿が印象的で、普段と違う一面を見せる子もいました」(教頭・國澤恒久先生)

生徒の関心の高まりに応じた特別講座も

事前事後のアンケートでは、情報分野やデジタル分野に関心を持つ生徒が飛躍的に増えていることがわかりました。生徒からは「身近な生活にプログラミングやコンピュータ技術が生かされていることを知った」「うまくできたときには達成感があり、もっと学びたい」などの意見があり、興味を持つきっかけとなったことがわかりました。

「中学からプログラミングに触れることで、将来の選択肢を広げてほしい。多様な学びのなかから、自分の興味や目標に合わせて進むべき道を選んでほしいと思っています」(教頭・國澤恒久先生)

長期休みには、さらに学びたい生徒に向けての特別講座を実施。2023年度は3Dプリンターでネームプレートづくりに挑戦したといいます。今年度は本学理学部の先生からプログラミングを学んだり、企業と連携したキャリア教育につながる企画を予定しています。

今後は、カリキュラムの実施状況や生徒の反応を継続的に把握し、必要に応じてカリキュラムの改善を行うとともに、他教科とも連携し、情報教育の内容を横断的に活用していくといいます。

生成AIで運動会のスローガンをつくる生徒たち。ともに教え合う姿も見られる

 ※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

日本女子大学附属中学校
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