私学探検隊

自分を知り、相手との違いを理解しながら コミュニケーションの方法を学ぶ

コミュニケーション力を育成する授業を新たに導入

相模女子には、「自分・自然・未来」の3つのテーマを通して命と向きあう「マーガレットタイム」というオリジナルの授業があり、心の教育に力を入れています。

2023年度からは、マーガレットタイムに新たに「アサーショントレーニング」を導入。発案者でもある、生活支援部長の片山京子先生に話をうかがいました。「アサーショントレーニングとは、相手と自分を大切にしながら、適切に自分の意見を伝えるためのトレーニングのことです。学校生活のなかでは、ちょっとした言葉のすれ違いからトラブルになってしまったり、深く傷ついてしまったりすることもあります。生徒のなかには、対人関係で必要以上に悩んでしまう子もいます。アサーショントレーニングで自分と相手の違いを知り、気持ちを伝える方法を学ぶことで、日々のコミュニケーションに活かしてほしいと思い、このカリキュラムを導入しました」

中1~中3まで行われるこの授業。1年次には自分と他者の違いを学びます。自分のいいところを書き出したり、グループワークを通して、同じ出来事でも人によって捉え方が異なることを確認します。「なかには自分のいいところを見つけられない生徒もいましたが、友達からいいところを言ってもらう機会を設けることで、自己肯定感を高められるようにしています」(片山先生)

2・3年次には、状況や相手との関係性によって捉え方や話し方が変わることを学び、適切なコミュニケーションの方法を学びます。教員がロールプレイで非主張型、攻撃型、作為型のそれぞれのタイプを演じ、生徒がそれぞれの話し方の特徴を学ぶ授業も行っています。

さらに生徒自身もロールプレイを行い、自分の感情を大切にしながら適切に自己主張する方法を身につけていきます。

適切に思いを伝えるための一助にしてほしい

お話をうかがった、生活支援部長の片山京子先生。公認心理師の資格を活かし、アサーショントレーニングのカリキュラム開発を行う

生徒からは、「自分とほかの人が思っていることが大きく違うことがあって驚いた」「普段、自分について考えることがない。自分の気持ちや考え方を知ることができた」などの声があり、自分の個性を認めたり、他者との違いを理解する機会となっていることがわかりました。

「最終的には、ストレスフルな状況におかれても精神的健康を維持し、心が傷ついても回復できるような力、つまりレジリエンスを養うことを目標のひとつとしています。昨年度はその一歩として、自分と他者の違いや認知のズレなどを知ってもらえたことは大きな成果だと思います」(片山先生)

また、授業のなかで生徒同士が「これはアサーティブじゃない」と指摘し合うなど、生徒にアサーションの概念が浸透してきているといいます。

あらためて、授業のねらいについて片山先生に聞きました。「よく、『積極性が大事だ』と言われますが、積極的に発言するためには事前のトレーニングが必要です。問題意識を持って生きるなかで、自分の疑問について聞きたい、主張したい、という場面は今後増えてくるでしょう。そのようなときにアサーショントレーニングの授業を思い出し、適切に思いを伝えられる一助になればいいなと思っています」

今後は外部の専門家とも連携をとり、よりよいカリキュラムにブラッシュアップしていくといいます。

教員間でも、生徒の普段見られない一面を共有できるようになり、適切な支援を検討できるようになっています。

 ※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

相模女子大学中学部
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