食品ロス、児童労働など、消費の裏側の世界を知り、 自分たちにできることは何かを考えた「国際セミナー」
ロールプレイを通じて
相手の立場になって考える
鎌倉女学院では、「鎌倉から世界へつながる人に」を合い言葉に、中1・2は「鎌倉学」、中3は「環境学」、そして高1で世界の環境問題や国際問題を学ぶ「国際セミナー」を実施しています。同セミナーは、「私たちにできる国際貢献」をテーマに、2日間かけて行われます。1日目は食品ロスや、フェアトレードなど6つのテーマの中から2つを選択し、ワークショップやロールプレイを通して、相手の立場になって考えをめぐらせます。
フードマイレージから自分たちの食生活を見直すワークショップに参加した餅田さんは、「食品問題というとフードロスなど作られた後のことしか頭にありませんでしたが、食品が作られるまでの過程でも生産国の水や土地、飼料などを無駄に奪っていることを知り考えさせられました」、フェアトレードの生産者側の立場に立ってロールプレイをした植松さんは、「フェアトレードという言葉は知っていましたが、生産者の立場になってみると自分たちの主張がどれだけ言いづらいかというのを身を以て実感。天候に左右されず安定的に収入を得られる方法を考えていく必要があると思いました」と、世界の環境問題や労働問題について深く考えるきっかけになったようです。また、識字率の低いネパールのタルー族の立場に立ってロールプレイをした根井さんは、「字が分からないと騙されたり、命の危険にさらされたりすることがあることを知り、自分がいかに恵まれた環境にいるかを実感したと同時に、日本語が分からずに困っている外国の人がいたら助けてあげたいと思うようになった」と話します。
消費者の意識が変われば
世界はもっと優しくなる
2日目は、ネパールの子どもたちの育成と女性の自立支援を行っているネパリ・バザーロの方を講師に迎え、世界の貧しい国の労働状況についてお話を伺った後、インド綿花を生産している家族とそれを取引する紡績会社、Tシャツを販売するアパレル会社、消費者の立場になって、児童労働について考えるロールプレイを行いました。その後、「新しい商品」「新しいCM」「新しい会社」を作るチームに分かれ、自分たちができる「地球に優しいTシャツ」を考え、発表しました。
「私たちが普段当たり前のように食べている物や着ている服の裏側には、どんな世界があるかを知るよい機会になりました。今すぐに問題を解決できるわけではないけれど、自分の今の生活が誰かの犠牲のもとに成り立っていないか、今後はもっと意識をしながら、商品を選んでいきたいと思いました」(根井さん)。できるだけ安く買いたいと消費者が望むほど、その犠牲が他の国の人たちに押し寄せてしまう。2日間の「国際セミナー」は、そんな世界の問題点を生徒たちに考えさせるきっかけになっています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
鎌倉女学院中学校
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